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A
学校教育のカリキュラムの中にボランティア活動を組み入れるということは、生徒が望まなくてもボランティア活動をしなければならないということです。これは自らすすんでするべきボランティアの性格に反するものです。また、生徒のボランティア活動を進学の際の評価にプラスする学校もありますが、これも社会のためにするべきボランティアの性格に反するものだと思います。ボランティア活動をする人が増えるのはとてもうれしいことですが、「させられる」人が増えると、反対にボランティアの意味がなくなってしまうのではないでしょうか。学校は、希望する学生にボランティア情報を教えるなど、別の形で役目を果たすことができると思います。
B
日本では、「ボランティア活動は特別なこと」という意識が、まだ人々の中にあると思います。学校教育の中で子どものころから経験するようになれば、その後も気軽にボランティア活動をする人が増えるでしょう。「ボランティアとは自らすすんで、金銭などをもらわずに、人のためにすることだ」などと理想を言うよりも、より多くの人がボランティアを経験しやすい環境を作ることが大切です。学校教育のカリキュラムにボランティア活動を組み入れることは、多くの子どもたちにボランティア活動を始めるきっかけを与えることになるはずです。