教育現場で「暴力は絶対だめ」と教え、厳しく対処すべきなのは言うまでもない。同時に、子どもが爆発前に発しているはずのサインを読み取り、暴力を未然に防ぐ努力が、大人たちに求められているのではないか。

東京で中学校のスクールカウンセラーを務めてきた臨床心理士の植山起佐子さんが痛感するのは、家庭環境のつらさを背負った子の多さだという。共働きだと親子が接する時間は少なくなる。一人親家庭も増えた。不況下での不安定な収入も影響を及ぼす。

親に気持ちを十分受け止めてもらえないまま成長し、家庭でのストレスを引きずって学校に来る子どもがいる。




最近、ちょっとしたことで暴力を振るったり、攻撃的になる子どもが増えている。原因の一つに、最近の食事事情もあるのではないか。

家庭の事情により、コンビニ弁当やインスタント食品等を、毎日一人で食べなければならない子どもがいる。「食事」とは本来、空腹を満たし必要な栄養をとるだけのものではない。家庭が会話をする楽しい時間を与えるものである。食卓を囲んで会話をすることで子どもは学校のことや、自分の気持ちを素直に表現することができ、親も子どもの様子を感じ取ることができるのである。親はバランスの良い食事を子どもに与え、子どもの小さなサインを見逃さず暴力を未然に防がなければならない。

1。 (3)AとBのどちらの記事にも触れられている内容はどれか。

2。 (4)食事における親子のコミュニケーションの重要性について、Aの筆者とBの筆者は立場を明確にしているか

3。 (5)A、B両方の筆者が最も訴えているものは何か