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恥ずかしながら最近、自分の「立ち居振る舞い」や「身のこなし」が人並みに気になるようになった。自分が「美しく振る舞う」ということにいかに無頓着であったが、気づかざるを得なくなったのである。
そのきっかけは、これも人様に申し上げるのは大変気が引けるが、この年齢になってお茶のおけいこを始めたからである。背筋を伸ばし、優雅にふくさ(注)さばきができる先輩たちの姿はとても美しい。それに比べて自分の姿かたち、身のこなしがいかにがさつであることか。
(東京新聞2009年12月5日『本音のコラム』による)
(注)ふくさ:お茶をたてるときに使う布