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A
子どもに複数の「習い事」をさせるのはかわいそうだという人がいますが、私はそうは思いません。「習い事」をさせることは、その子が持っている可能性を引き出すチャンスを与えることだと私は思っています。大人になってからの「習い事」は、多くの場合、趣味でしかありませんが、子どものうちにする「習い事」は、その子の将来を左右するような影響力を持ち得るのです。複数の「習い事」をさせることは子どもにとって決してかわいそうなことではなく、親にしか与えられない子どもへの贈り物ではないでしょうか。
B
子どもは自由に遊ぶ中で人間関係を学び、様々な能力を身につけていくものです。複数の「習い事」によって子どもの自由時間を奪うことは、そのような成長の場を奪うことにもなりかねません。「習い事」によってある一分野の力をつけることと、人として必要な総合的な力をつけることはどちらが大切でしょうか。また、親が強制的にさせる「習い事」は、子どもの能力を引き出すどころか、子どもにとって大きなストレスになってしまう場合が多いと思います。ただ最近は、大多数の子どもが「習い事」をしているため、子どもが自ら友人と同じ「習い事」をしたがることも少なくありません。そのような場合には、仲間作りの一つの場となるので、「習い事」を利用するのも意味のあることだと言えるでしょう。