(2)日本では、1960年ごろから町に道路やビルが次々につくられ、公園や空き地(注)が少しずつ消えられてきた。このような町の変化によって、室外で子供の遊ぶ場所が減少した。そして、こどもの遊び方も変化してきた。昔は子どもは外で遊ぶことが多かったが、今は一人で室内でテレビを見たり、ゲームをしたりすることが多い。
このことは、二つの点で子どもたちに重大な影響を与えた。一つ目は「体力」への影響である。子どもの体力と運動に関する調査では、走る、跳ぶ、投げるなどの基礎的な体力は昔より落ちている。外で体を動かして遊ぶ機会が減ったことが、最大の原因だと考えられている。
二つ目は「付き合い方」への影響である。昔は、近所の子どもが一緒に外で遊び、年齢や個人による違いを受け入れて、付き合い方を学習した。しかし、今は部屋で一人で過ごす時間が長くなり、人間関係がうまく作れない子供が増えてしまった。
これからも日本の町は発展していくだろうが、それが子供に与える影響も忘れてはいけない。
(注) 空き地:建物が建っていない、使われていない土地