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 不安は正体がつかみきれないときほど膨らんでいく。長く引きずる。人間だれでも自分に都合の悪いこと恐ろしいことは考えたくない。そういう心理が働くから無意識のうちに問題をあいまいにして解決を保留にする。
 そうして結局①いつまでも不安をダラダラと抱え続けてしまう
 逆に自分の何がどのように不安なのか不安に思う必要があるのかどうかを把握すればそれだけで不安は減る。不安の正体が明確になってこれは何かしなくてはまずいと認識されればそれは「危機感」になる。
危機感は不安と違う。危機感をもてば行動を起こそうという意欲が湧く。さらに情報を集めて行動計画をたてようとする。やるべきことが明確になる。だからスタートが切れるのだ。
 問題は鍵となる不安は何なのかということだ。様々な不安の中からそれを特定して意識する。その不安に思いきり光を当てて自分で正体を見極められれば次にどうすればいいかの対策も講じられる。
 (中略) 不安にはしばらく保留にしておいても大丈夫な不安もある。それがわかった瞬間不安はまた少し減る。
 こうして自分が何をやらなければいけないかが見えてくる。やる気が出てくる。動く気になる。不安の解決策を考えながら夢が膨らんでくることもある。

(佐々木直彦『「仕事も人生もうまくいく人」の考え方』による)

1。 (50)①いつまでも不安をダラダラと抱え続けてしまうとあるがなぜか。

2。 (51)筆者によると危機感をもつとどうなるか。

3。 (52)不安について筆者はどのように考えているか。