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 白色度というのは物理的な指標であって感受性の指標ではない。したがって白色度が高 いというだけでは白は印象づけられないのである。咲き乱れる花々の印象は真っ白でも、 その背後にコピー用紙程度の紙を置いてみると、花そのものの白さは紙の白さほどではな いことに気が付く。花弁(注1)は淡い色を含み水分をたたえた(注2)重たい白である。しかし咲 き誇る花々が僕らの心に届けてくる白は鮮烈に白い。

(原研哉『白(しろ)』による)


(注1) 花弁:花びら
(注2) たたえる:ここでは、含む

1。 (49)筆者の考えを表しているのはどれか。