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 日記とは限りなく私的な記録であり、読者が存在しないどころか、他人には読まれたくない秘密の表現であるともいえる。
 ただ一人だけ奇妙な読者が存在する。いつでも自由に日記を読むことのできる日記の筆者である。その読者は筆者とは異なる場に立って様々な配慮を動かす。万が一、日記が盗み読まれたり(注)、死後に他人の目に曝されるような事態が発生した場合、こんなことが、書かれているのはまずいのではあるまいか、等々と。しかし、 これは限りなく私的な記録である筈の日記にとっては矛盾である

1。 (49) 矛盾であるとあるが、何が矛盾か。