(1)
 よく知らない人についてどのようにして印象を受けるのであろうか。ゕッシュの有名な実験を例にして紹介する。誰彼についての印象というものは、与えられる手がかり(情報)の順序によって影響されることを示している。たとえば、「知的な→勤勉な→衝動的な→批判力のある→頑固な→嫉妬深い」の順番である人物の特徴が伝えられると、多少の欠点はあるが、適応的で有能な人物という印象ができる。一方、これとは逆の順番「嫉妬深い→頑固な……→知的な」では、深刻な問題を抱えた人とみなされる。(中略)最初の手がかりが方向づけをし、後に与えられる手がかりはそれに結びつけて解釈されると考えられる。これを初頭効果という。初めに与えられる手がかりが否定的だと後の肯定的な手がかりも胡散臭くみなされてしまう。世に言われるように、「第一印象が肝心」なのである。なお、①この効果はすべての人に見られるわけではなく、むしろ、後の手がかりによけい影響を受ける人もあることも指摘されている。あまり創造的でない人、認知の物差しが尐ない(見方の次元が尐ない)人の場合には、与えられた手がかりを順番に維持しがたく、初めに与えられた手がかりが後に与えられた手がかりによって上書きされてしまい、結果的に初めの手がかりによる印象は薄くなり、②後の手がかりによって印象がつくられやすい(新近効果)。相手が複雑さに強い人かどうかで、伝える情報の順序を操作することによって印象を変えることも可能である。

(海保博之編著『瞬間情報処理の心理学』による)

1。 (50)①この効果とはどのようなことか。

2。 (51)②後の手がかりによって印象がつくられやすいとあるが、なぜか。

3。 (52)初頭効果と新近効果の二つの説明からわかることは何か。