A
テレビや新聞などで年々深刻化するごみ問題が取り上げられている。例えば一般的な家庭ごみとして、生ごみのほかにも食品容器や商品などの過剰包装による廃棄物が多く見られるという報告がある。最近では指定されたごみ袋を買ってごみを捨てたり、客に買い物袋の持参を促したりする動きがあるが、ごみの量に変化は見られない。もし、自治体が家庭ごみ一個の収集につき〇〇円と有料化すればごみは減るかもしれない。ごみ自体の廃棄にもお金がかかるようになれば、誰もがごみを出す前に考えるようになるだろう。そうなれば消費者は不必要な包装を断り、使用可能な物まで捨ててしまうことも減尐するのではないだろうか。
B
現代社会は数十年前と比較にならないほど便利な生活が可能になった。しかし、不要になったものを再利用することよりも便利さを優先してきた結果、家庭ごみは増え続ける一方だ。家庭ごみを減量するため、現在、ごみ袋を有料化し消費者が処理費用の一部を負担することになっている。しかし、それだけでは不十分であり、所定の場所でのごみの収集にかかる費用を消費者に負担させようと言う意見も出ているが、そうなればごみを所定以外の所に隠れて捨てるおそれも出てくる。このような問題を解決せずに安易にこれを実行に移すのには賛成しかねる。物が生産され、消費者が購入し、不要なものは廃棄されごみになるという循環を考えると、新しい製品を次々と作り出す生産者も、それに慣れ切ってしまった消費者も便利さに対する意識を変える必要があるのではないか。