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 価値観や科学的常識は、誰にとってもいつの世でも、変わらぬものだと感じがちです。しかしそれは雲の形のように、一見、静止しているように見えて、じつはゆっくりと変化しています。あまりにもゆっくり変化するため、多くの人が、雲は静止画のように変化しないものだと信じているのです。
 誰もが、たまたま自分の成長期に見ていた雲こそが「正しい雲の形」だと思い込みます。こうしてそれぞれの世代の人の脳裏にある雲の姿は、お互いに尐しずつズレてきて、すれ違いが起こるのです。

(藤沢晃治『「わかりやすい教え方」の技術―「教え上手」になるための13のポイント』による)

1。 (48)筆者は、すれ違いが起こる原因をどのように説明しているか。