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 昔話というのは、最初はほんの少数の人が聞き、そのなかの一人か二人がおぼえて、次の世代の人に話し、そして次へと語られてきました。同じ話でも変わってくるのが当たり前です。聞き手の反応によって、面白いところがくわしく語られ、 退屈な部分は省かれ、物語としての形がととのってきます。だから面白いはずです。でも、教訓(注)やお説教をつけ加え、つまらなくしてしまう場合もあるようです。

(中川李木支子 『絵本と私」 による)



(注)教訓:道徳的な教え

1。 (55)筆者によると、昔話が面白いのはなぜか。