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長い間水の中にいると手足の指にたくさん「しわ」ができる。このしわを見たことがない人はいないだろう。私はこれまで、このしわは単に皮膚が水分を吸収し膨らんでできたもので、何の役割もないと思っていた。ところで、①そうではないという記事を読んだ。滑り止めの役割を果たしているというのだ。
この記事は、ある論文の実験結果をもとに書かれていた。②実験は次のように行われた。ひとつの容器に小さなガラス 玉を入れ、それを指でつんで別の容器に移し替えるのにかかる時間を計る。ガラス玉が入っている容器には、水入りのものと水なしのものが準備された。また、手はしわがある状態とない状態で、それぞれのかかる時間が計測された。しわは、ぬるま湯に手を浸すことで発生させた。結果は次のようなものである。
まず水の有無について見てみると、水入りの容器から移し替えるより、水なしの容器から移し替えるほうが速い。次に水入り、水なしの各条件において、しわの有無の違いによる結果を見てみると、水なしの場合、しわがあってもなくても 大した差はない。しかし、水入りの場合、しわがあるほうが速い。以上の結果から、実験者は、しわは水中などぬれた環境で物をつかみやすくするためにできるようになった可能性があると述べているそうだ。
しかし、どうなのだろうか。滑り止めのためであれば、水に入れたらすぐにしわができないとおかしいのではないだろうか。しわの役割を知るためには、新たな実験を待たなければならない。