A
 自分の中にある国定観金(注1)思い込み、価値の枠組みを組み替えたり、転換することはなかなか難しい。特にスポーツ選手は、「始めた以上はやり通せ」ということを常に言われて育っていく。その考え方が染みついて、なかなか疑うことができない。途中変更することは目標を諦めることで、いけないことだと思い込んでいる選手も多い。
 でも、本当に一つの目標を固く決めつけて死守する(注2)必要が、あるのだろうか。
 (中略)
 もちろん、真面目に一本の道をつきつめる(注3)ことも大切だろう。でも、ピうしてもうまくいかない時には、少し視点をずらしてみたり、大胆(注4)に組み替えたりしてみることも、また大切な方法ではないかと思う。
(為末大『「遊ぶ」が勝ちー「ホモ・ルーデンス」で、才も跳べ!」による)

B
 最近のスポーツ選手に目標をたずねると「世界で活躍したい」という答えが多く返ってくる。世界的な大会やチームて活躍する選手が増えた結果だろう。だが私が指摘したいのは、目標が大きすぎたり違すぎたりするために、しなければならないことが具体的にイメージできず、途中でやる気を失ってしまう選手が多いことだ。
 大きかな夢を実現するには、長期間にわたる日々の労力が欠かせない。意欲を持続させるためには、少しずつでも前に進んでいると感じられる親左同が必要だ。目標が大きすぎてするべきことが見えなくなってしまった時には、今の自分に一書妥要なことを考えて目標を見直してほしい。

(注1)固定観念:簡単には変わらない考え
(ほ2)死守する:ここでは、最後まで守る
(注3)つきつめる:最紋までやる
(注4)大(だい)胆に:思い切って

1。 (69) スポーツ選手の目標の持ち方について、AとBはどのような場合が多いと述べているか。

2。 (70)AとBが共通して令要だと考えていることは何か。