(4)
チンパンジーと同じ程度の知能を持つゴリラに、挨拶行動の種類が少ないのは、ゴリラは一頭のオスと数頭のメスよりなるまとまった
(注1)小集団を作り、集団のメンバーが離れ離れになって生活することがないからであろう。それに反して、チンパンジー社会では、集団から受ける束縛
(注2)が小さく、個体の行動の自由度が大きいので、相互の個体関係を友好的につなぐために、挨拶行動が発達したのであろう。
(河合雅雄『サルの目 ヒトの目』による)
(注1) まとまる:一つになる
(注2) 束縛:ここでは、制限