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住まいは「生活の器」であると言われている。器と言えばよく引き合い(注1)に出されるのが食器である。うどんにはどんぶり、味噌汁には汁椀、ステーキには皿 9 というように食べ物に合った器が必要であり、汁碗に入ったステーキがナ゗フで切れないように器によって中身が制約される(注2)。この点では住まいも同様である。住み手毎にその生活は異なっているから、住み手に合った住まいが必要であり、逆に、住まいによっては住み手の生活が歪められる(注3)こともある。

(多田道太郎編『環境文化を学ぶ人のために』による)


(注1)引き合いに出す:例にする
(注2)制約する:制限する
(注3)歪められる:ここでは、変えられてしまう

1。 (59)筆者によると、住まいと食器の共通点は何か。