以下は、留学生が日本事情について書いた文章である。
日本における米食の変化
ヨハンソン ダグ
日本食というと米の印象が強く、私は、日本人は米を一日三食食べていると思っていた。ところが日本に来てみると、( 50 ) ので驚いた。
ある調査によると、1960年の日本の米の消費量は一人当たり年間約120キロだったが、2010年は約60キロだったという。この50年で米の消費量が半減したわけだ。けれども、50年で一日の食事の回数や総量が半減する( 51 ) 。では、どのような事情で米の消費量が半減したのか。
それにはいくつか( 52 ) があるようだ。その中で私が取り上げたいのは、食の多様化だ。1965年ごろから日本では様々な食物を輸入するようになり、米以外にパンなどを主食としてよく食べるようになった。また、1960年から2010年の50年で、肉の消費量は約5倍に、乳製品は約4倍に増えた。こうした変化の中で、相対的に米の消費量が減少したのだろう。
食の多様化自体は、食卓が豊かになるのだし悪いことではない。( 53 ) 、食の多様化に伴う問題も起きているようだ。日本では昔から米や野菜がよく食べられてきたため、日本人の体はそれらの消化に適しており、肉や乳製品の消化が苦手だという。食の変化によって病気になる人も増えているそうだ。日本人が守ってきた伝統的な食文化は、日本人の健康を支えていたのだ。
私の国の食文化も私たちの健康を支えてくれていたのだろうか。日本に来て、その土地に生きる人と食文化とのつながりについて( 54 ) 。