A
 逃げたくなるほどつらいことがあっても、逃げられない人がいる。スピードや効率性(注1)ばかりを求められ,自己責任が声高(注2)に問われる現代社会に、とことん追い詰められ(注3)ながらも、過剰なまでに踏ん張り(注4)続けている人がいる。
 そういう人たちは、「耐える」「踏ん張る」という選択肢のほかに、「逃げる」という選択肢を持っておくことも大切だと思う。
 どうしようもない時には、逃げればいい。
 いつもいつも逃げてばかりいては、どうにもならないけれど、逃げるというカードを1枚だけ持っておいてもいいのではないか。
 

(河合 日経ビジネス 2011年3月7日取得により)


B
 「逃げることは負けることだ」「逃げることは恥だ」という考え方がある。一方、現代は「自分の好きな用に生きる」ことが許され、「逃げる」ことも否定されなくなってきた。そのため、仕事などで壁にぶつかったとき、自分の選んだ生き方は正しかったのが、もうやめた方がいいのではないかと迷い、今自分が置かれている道から逃げたいと思う人も増えている。
 「逃げたい」と思う人はそこでよく考えてほしい。「逃げる」ことが解決の道なのだろうかと。どんな仕事も大変なときはあり、時が解決してくれることもある。逃げたいと思ったときこそ、その気持ちとしっかり向き合うことが大切だ。それでも逃げることが正しいと確信したなら、逃げることは負けることではなくなる。


(注1)効率性:ここでは、一定の時間に水準の高い多くの仕事ができること
(注2)声高に:声を大きくして
(注3)とことん追い詰められる:逃げる道のないところまで追われる
(注4)跡ん張る:ここでは、我慢する

1。 (69)AとBの文章で共通して述べられていることは何か。

2。 (70)逃げたいと思うことについて、AとBはどのように述べているか。