私の住む町には「花山池緑地」という場所がある。町には多くの家が建ち、木々も減っているのだが、ここにだけは昔のままの緑が多く残されている。この辺りは、昔からきれいな水が地下から出てくるところで、今でも、珍しい草木や生き物が数多く見られる。
 以前、ある建設会社がこの辺りに大きなマンションを建てる計画を発表した。 花山池の自然を守ろうという動きが始まったのは、そのときだった。町に住む人たちが、この場所の価値をわかってもらおうとする活動を始めたのである。それが大きな反対運動になり、役所はこの場所に「花山池緑地」と名前をつけて、マンションの建設などが制限される場所に指定した。
 町の人たちは、今も「花山池緑地を守る会」のメンバーとして、役所と協力しながら,この場所の自然を守る活動を続けている。
 「守る会」の人たちは、月に数回、伸びすぎた木の枝を切ったり、雑草(注1)や外来種(注2)の草木を取ったりしている。何も世話をせずにそのま まにしておくと、外来種の草木が増えたり、日光が当たりにくくなったりして、昔 からあった珍しい草木がなくなってしまう可能性が高い。環境が変化すると、そこで生きる生き物の種類も変わってしまう。
 今、この場所は普段は自由に入れないようになっているが、1年に数回行われる自然観察会のときには、大勢の人が縁地の中を歩いて、珍しい草木や生き物を観察することができる。
 「花山池縁地」の自然は、このようにして町の人の努力によって守られてい るのである。
 (注1) 雑草:ここでは、不要な草
 (注2) 外来植の:ここでは、その場所に以前はなかった種類の

1。 (34)「私」の町はどのような町か。

2。 (35) そのときとあるが、それはいつか。

3。 (36) 町の人たちは、なぜ「花山池縁地」の自然を守ろうとしたのか。

4。 (37)「花山池縁地」を守るために、「花山池緑地を守る会」の 人たちはどうしているか。