(5) 会社勤めの生活は楽だった。
 楽しくはないが、楽だった。
 ずっと一人で生きてきた後で、集団に入ってみると、その居心地いごこち)の良さ、安楽さに驚くのである。一人の時は、朝目覚めて寝るまで「何をすべきか」という判断、決定を自分でしなければならない。つまり、それを「自由」というのだが、実力のない者には自由は重すぎる。一日中、選択せんたく)と決断をし、その結果を自分一人でひき受けねばならない。

(野田知佑『旅へ一新・放浪記1』による)

1。 (59)筆者によると、なぜ会社勤めが楽だったのか。