(5)
 下のA一Dは、それぞれア、イ、ウ、エのどこかに入る文です。
 私が図書館で働いていたころ、進くんという六つの男の子が、ときどき図書館へやってきました。本には全然興味がないらしい進くんが、そもそも(注1)どうして図書館へ来たのか、そこのところはわかりませんが、とにかく、[ ア ] あるとき、それをしかるかわりに、絵本を読んでやったところが、それからは、[ イ ]でも、見ていますと、 [ ウ ]
 それでいて、読み進んで残りのページが少なくなると、「これがすんだら、あれね」と、次の本をさすのです。結局、 [ エ ]
A 進くんにとっては、読んでもらうということが、かまって(注2)もらえるという意味でうれしかったのでしょう。
B やってくると、一応パラパラと雑誌を見て、そのあと奇声(注3)を発したり、机の間を走ったり、騒ぎはじめます。
C 肝心(注4)の読んでもらっている本には、それほど興味を持っていないことがわかるので す。
D 来るたんぴ(注5)に、読め読めとせが(注6)むようになりました。
(松岡享子『えほんのせかい こどものせかい」目本エディクースクール出版部による)
(注1)そもそも:もともと、第一に
(注2)かまう:世話をする、相手になる
(注3)奇声を発する:高くて変な声を出す
(注4)肝心の:いちばん大事なはずの
(注5)たんびに:たびに
(注6)せがむ:しつこく頼む

1。 (59)適当なものはどれか。