(1)お母さんがサッカーボール型のスポンジケーキを作り、「こうしたら、子供たちに 喜んで食べてもらえるんですよ」と言っているのを見ました。私は古い人間な のかもしれませんが、①喜んで食べてもらえる」という言葉に強い違和感(注1)を覚えたのです。・・・
 子供たちには別に食べてもらわなくてもいい。腹が空けば、彼らは食べる。だから、極端な(注2)ことを言うなら、一家で週に一度くらい「断食の日」を作ればいい。そうすれば、嫌でも彼らは食べることでしょう。そうすれば、親たちは食事を作る手間を一日だけですが、省けるし、ダイエットにもなります。
 なぜ、こんなことを言うかといえば、現代会社は食事をするということから、 ②多くのことを学ぶ機会を失いつつあると考えるからに他となりません。先日、ラジオを聴いていたら、これまた③おかしなことを学校に申し入れる母親の話が紹介されていました。
 学校給食で、「うちの子供に食事前に『いただきます』と言うのを止めさせてほしい」というのです。理由は、「給食費を払っているのだから」。この放送があったら、「いただきます」を言うべきかどうかをめぐり、聴取者(注3)の間で大論争が繰り広げられたとのことです。
 「食堂で、『いただきます』、そして、『ごちそうさま』と言ったら、隣のおばさんに『お金を払っているのだから、店がお客に感謝すべきだ』と言われた」という事例が紹介されていました。
 私などから見れば、「いただきます」をめぐり大論争が展開されること自体が驚き です。いつの間に多くの日本人は食事をすることへの感謝を忘れてしまったの でしょうか。
(注1) 違和感:他のものと比べて何かおかしいと感じる気持ち
(注2) 極端な:考えがかたよっていること
(注3) 聴取者:ラジオを聞いている人

1。 (60)①についての説明として最も適当なものはどれか。

2。 (61) ②「多くのことを学ぶ」とあるが、例えば何を学ぶのか。

3。 (62)③「おかしなことを学校に申し入れる」とあるが、筆者はなぜおかしいと言うのか。