ハトを使って絵画を見わける実験をおこなってみよう。実験では10枚のピカソの絵と10枚のモネの絵をつかった。ハトは訓練用の小さな実験箱に入れられる。実験箱にはスクリーンがあり、スライド・プロジェクターで絵が映しだされる。
 ピカソの絵が映されたときにスクリーンをつつけば餌があたえられ、モネの絵の時には餌がもらえない。また、別のハトは逆にモネの絵では餌をもらえ、ピカソの絵ではもらえないという訓練をうける。ハトはおよそ20日間程度の訓練でこの①区別ができるようになる。ハトはモネの絵とピカソの絵がわかるようになったのだろうか。これはハトがピカソとモネの区別ができるようになったからではなく、20枚の絵を丸暗記しておぼえただけのことかもしれない。実際ハトはこのくらいの数の意味のない図をまるごとおぼえる記憶力を持っている。しかし、ハトは訓練につかわなかった、初めて見る絵を見せられた場合でも、それがモネの絵であるかピカソの絵であるかを区別したのである。ハトは訓練のつかわれた特定の絵を丸暗記したのではなく、「ピカソ」の作品、「モネ」の作品という②作風の区別をおぼえたと考えられる。

1。 (60)輸入される木材の6割以上は、どんなことに使われているか。

2。 (61)ハトがどのようなことをした場合に、 ①「この区別ができる」と筆者は判断したのか。

3。 (62)②「作風の区別をおぼえた」とあるが、どのようなことか。