グローバル化が進むとともに、世界各国に駐在する日本人の研究者やビジネスマンも増していて、世界で日本人のいない国はないと言われるほどだ。それゆえ、通信業界でもさぞたくさんの日本人特派員が各国に派遣されているかと( 41 )、そうではないのが実情である。新聞で何かと取り上げられることの多い中東地域においてさえ、( 42 )。
このように支局の数、特派員の数が多くはない通信社は、どのようにして情報を入手しているのたか。イギリスやアメリカの大通信社は、世界中に張りめぐらせた通信網によって各国から情報を集めているが、この情報収集には膨大私な資金を必要とする。( 43 )、資金面で苦しむ国々の通信社は自力で情報収集を行わずに大通信社から情報の配信を受けることが多くなる。これは一見合理的に思えるシステムだが、問題がA国の通信社が取材して得た情報は、あくまでA国の視点で取材されたものであり、その国のその時点での情勢が絡んだ情報である可能性もある。つまり、私たちが得ている情報は、グローバルな情報網から得たものであればこそ、量的には不足はないかもしれないが、質的に見ると、( 45 )ということである。