「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」という言葉を耳にするようになって久しい。最近はテレビでもCMが流れるようになった。( 41 )ジェネリック医薬品はまだそれほど普及はしてないのが実情である。では、なぜ日本では普及が遅れているのか。その大きな理由の一つが情報量の少なさであろう。例えば、持病で10年間同じ薬を飲み続けてきた患者が、突然医師に「中身は同じで値段が半分のジェネリックがあるが・・・」とすすめられた場合、この患者は迷わずジェネリックを選ぶだろうか。答えは「ノー」だ。中身が同じ、値段が安いというだけでは( 42 )。10年間親しんだ従来の薬のように自分の体に合っているのか確証を持つことができないからだ。事実、ジェネリック医薬品は先発医薬品の全く同じコビー商品なのかというと( 43 )。同じなのは主成分だけである。飲み薬の場合を例にとると、錠剤かカプセルかなど形状が異なるだけでも薬の作用が大きく変わることがある。先発医薬品はたしかに高いけれど長く使用されているだけあって、その安全性や危険性について十分な情報がある。しかし、ジェネリック医薬品にはまたそれがない。病気の適切な治療( 44 )逆に体に害を与えるおそれまであるのだ。ジェネリック医薬品に変えるということは、安価という( 45-a )と引き換えに、十分に有効性と安全性が確認されていない薬を使用する( 45ーb )を患者が負うことになるのだ。