これまでの人類は、「今、自分たちに得になること」を重視して様々な活動を行ってきた。その結果、環境を大きく変えることになり、深刻な環境問題を生んだのである。これからは、その
轍を踏む
(注)べきでない。そこで、生態系を保全しようとするときには、その行為が、"今の"人類にとって得か損かという尺度で評価するのではなく、百年後、千年後、一万年後まで人類が生き残るため、またそのときでも人類が健やかに生きていけるということを基準として、考えるべきであろう。
(花里孝幸『自然はそんなにヤワじゃないーー誤解だらけの生態系』新潮選書刊)
(注)
轍を踏む:前の人がした失敗と同じ失敗を繰り返す