自然を消した世界に、子どもが存続できるはずがない。それはわかりきったことだが、多くの人はそんなことを考えたこともないであろう。子どもは育つにつれて人工の世界に急速に適応するからである。それが大人である。つまりいまの子どもは、急速に大人になることを要求されている。そこでは「子どもという自然」でいることは、必要悪と見なされている。その「必要」すら、ほとんど認められていないのではないか。

(養老孟司『まともな人』中公新書による)

1。 (46)筆者の言いたいことは何か。