A
難しい漠字を多く含む196字が追加された改定常用漢字表。学校現場でいつからどう教えるか、という大きな課題に対し、文部科学省は、中学から読みを、高校で書くことを中心に指導する方針を打ち出した。(中略)
「高校で主なも のが書ける」と いうこれまでの目標は踏襲し、「主な」漢字が何かは、各校 の判断に任せるとした。入試では、書かせる問題に偏らな いよう求めたものの、明確な歯止めは示していない。
もし、入試でことさら難しい漢字を取り上げる傾向になば、学校でも、必要以上に書くことの指導に力を割くことになりかねない。現場の教員からは 「授業時数が限られる中、200字近 い漢字の増加自体、生徒にも教師にも大きな負担だ」との声も上がっている。学習を助ける教材などの開発が急がれる一方、入試については何らかの歯止めを示すことも検討課題だろう。
(二〇一0年九月二五日 読売新聞による)
B
常用漢字表が改定され、これまでの千九百四十五字から二千百三十六字になった。パソコンの普及で自分では書けな いような漢字に触れる機会が増えたためで、その分、難しい漢字も多く盛りこまれた。
ゆとり教育を見直し、学習すべき内容が全体的に増えている中、漢字が一割も増えたら、教師や生徒は戸惑うだろう。とはいえ、府県名など今ま で使えなかった漢字が使えれば生活が便利になるし、善く側には難しい字でも読む側には一日で意味がわかり、負担ばかりだとは言いきれない。
漢字は言語生活に欠かせない重要なものであり、その時代に合わせた漢字が必要になる。この常用漢字表改定を機に、生活に必要な漠字について改めて考えてみたらどうだろうか。