かつては〈制度〉といえば、ほとんど、国家(法的国家)、地方自治体、政党、結社、学校、会社、組合などといった、明確に実定化
(注)され、法制化されたもののことしか、考えられなかった。もともとそのような制度は、私たち人間が集団生活を営み、その集団が大きくなりそこでの人間関係が複雑化し間接化するに応じて形づくられたものである。つまり、そうしたなかで社会生活が合理的に運営されていくためには、社会関係そのものが合理化され、客観的に示されねばならなかったのだ。
(中村雄二郎「術語集」岩波新書による)(注)実定化:人間が作り出した法として定めること