脳とコンピューターが似ているのは、いずれも計算や記憶ができるからだ、と思っている人がいます。しかし、計算や記憶をするのはあくまでも脳であって、コンピューターはソロバンやメモ用紙のような道具に過ぎないのです。両者が似ているのは、その基本的な仕組みです。
 脳の主役は神経細胞ですが、その細胞からは細くて長い神経繊維という糸が出ています。そして、その神経細胞の先端は別の神経細胞に接触するという形で、次々とつながってゆきます。その接触するところをシナップスとよんでいます。つまり、脳は神経細胞またはシナップスを結び日とした巨大な神経網ということができます。その点が、多数の素子が配線で結ばれているコンピューターと似ているのです。

(千葉康則「ヒトはなぜ夢を見るのう」PHP研究所による)

1。 (48)脳とコンピューターの似ているところはどこか。