植物細胞は細胞壁で囲まれている、①
このことの意味は大きい。
動物細胞の外壁は、弱くて薄い原形質膜である。
たとえて言うならば、植物細胞は紙パック入りの牛乳のように、容器が堅い。動物細胞は、ビニール袋入りの牛乳のように容器がやわらかい。
紙パック入り牛乳は堅いのでいくつも積みあげてしっかりした壁を作ることも可能だ。だが、ビニール袋入り牛乳を積みあげることはできないであろう。
だから、多くの動物は体の中に骨を持ち、骨格というものを有するのである。骨格で体の基本形を作り、そこにやわらかい肉をつけて、体が成り立っている。(中略)
言いかえれば、植物には骨がないのに、どうしてあんなに大きく(ものによっては数十メートルの高さにまでなる)なって体がつぶれないかというと、細胞が細胞壁で囲まれているからなのである。
(清水義範「もっとおもしろくても理科講講談社)