一般に自由はどのように
捉えられているだろう?
言葉の使われ方を観察すると、たとえば、自由行動、自由時間という場合、決められたスケジュールがない状態を示している。多くの人は「自由」を、「暇な」とか「することがない」状態としてイメージしているかもしれない。
必ずしも、「自由」は素晴らしい意味には使われていない。仕事や勉強に追われていると、ついついゆっくりと休みたくなる。少しくらいは怠けたくなる。「一日中寝ていたい」というような欲求が、「自由」から想される個人的な希望である場合が多い。
はたして、これが本当の自由だろうか?
もちろん「支配からの解放」であることにはまちがいない。ただし、多くの人にとっては解放されること自体が、自由の価値になっている。解放されたことで何ができるのか、といった「自由の活用」へは考えカ吸んでいないように見える。
(森博嗣「自由をつくる自在に生きを集英社)