物体は激しく動けば、それだけ摩擦が大きくなる。人間だって、激しく動くと熱を持つのだ。
端から見れば、輝いている人間のことが、きっと
羨ましく見えるのだろう。
だけど、輝いている本人は熱くてたまらないのだ。
星だって、何千光年という遠くの地球から見れば、美しく輝く存在だ。
「いいなあ、あの星みたいに輝きたい」
人はそう言うかもしれないけれど、その星はたまったもんじゃない。何億度という熱で燃えている。しかも、燃え尽きるまで、そうやって輝いてなくちゃいけない。
これは
真面目に、けっこう
辛いことなのだ。
カッコつけているわけじゃない。自分がそうなてみて、実感としてそう感じる。
(北野武「全思考」幻冬舎)