チーム全員でものごとを成すというのは本当に面白いが、ときにはチームが一つにまとまらず、あるメンバーがおびただしくチームの足並みを乱す要因になってしまうこともある。大変残念なことだが、もしそうなったら、リーダーはその現実から絶対に目を背けないことだ。
 周りのメンバーからNOを突きつけられた人については、その人がどうしても変われないなら、あなたがチームから外すことを決断する勇気もときに必要だ。
 ただし勘違いしてはならない。外すという決断は、決して軽々しくしていいものではない。そもそも、周りとかみ合わない人がチームにいるというのはよくあること。それはまだ、本人に「変わる」余地がいくらでもある状態であり、まずはあなたがその人を変えていけばいい。
 たとえば私は、他のメンバーの反応がよくない人ほど、1対1で何度も話し合うようにしている。その席では「周りがこんな不満を感じている」ということを率直に伝え、こうして話し合っていることをメンバーにもわかってもらっている。そのうえで、数か月後に周囲との関係が改善されていなければ、本人に異動を打診。それならば残念な結果になっても、周りのメンバーも納得するし、誰もが受け入れやすくなると考えているのだ。つまり、チームからあるメンバーを外すなら、外すという決断の「重み」を本人にも周囲にも感じてもらえるよう、まずあなたが正面切ってその人に何度も働きかけることが先なのだ。

(藤巻幸夫「フジマキ流 アツイチームをつくる チームリーダーの教科書」インデックス・コミュニケーションズ)

1。 (1)この文章で筆者が最も言いたいことは何か。