そもそも医学や医療が生まれ発達してきたのは、人間に幸福をもたらすためであるということに異論を唱える人はいないだろうし、医学医療の恩恵により得られる「健康」が、人生の目的ではないということにも賛同いただけるであろう。つまり、医学医療は幸福のためのインフラ(注1)と考えたほうがよいことになる。一般にインフラは「安定供給による安心」が基本である。蛇口をひねれば水が出て、電気は常につき、電話はいつでもつながる。これが損なわれると国民はパニック(注2)になる。(中略)医療政策を考えたり、医療を学び実践するものは「幸福のための医療」を念頭に行動するべきであろう。

(寺下謙三「健康」「imidas 2007」集英社)

(注l)インフラ:産業や生活の基盤を形成する道路・鉄道・通信施設などの構造物
(注2)パニック:災害などによる混乱状態

1。 (1)この文章で筆者が最も言いたいことは何か。