A
大学教育は職業育にもっと力を入れるべきである。学生に早くから自分の仕事に対する適性や考え方を見極めさせ、自分にあった職業まを選ぶ能力を身につけさせることが必要だ。不況が続く中、企業は新入社員を企第内で研修し育成する余力がなくなってきている。したがって、学生に期得されるものは学術研究で得た学識よりも、即戦力となる実践的な能力や技術である。それゆえ、社会ですぐに通用する能力を養うためのカリキュラムを作成することが大学に求められている。企業で活躍するエキスパートを講師として招くなどの試みもするべきだろう。今後の大学には、将来を担う若者を企業と共同して育てていく役割があると私は考える。

B
大学教育はあくまで学術研究に主眼をおくべきである。学術研究が社会に出てすぐに役立つとは限らないが、長い目で見れば、将来の社会を担う若者の育成につながるはずだ。実践的な即戦力をつける役割は専門学校に任せればよいと思う。近年、企業の採用活動が早期化するとともに、大学生の就職活動も早期化し、これが大学教育に弊害をもたらしている。3年から就職活動のために授業を欠席する学生が増えている事実。また、早期に就職が決まった学生の学習意欲の低下などが間題になっている。大学は就職の準備をする場ではない。大学生の学力の低下も指される今、大学教育がなすべきことは、世界に通用する水準の学識を若者たちに与えることであり、それを阻害するような状況あれば、企業とも連携しながらそれを改善していくべきだろう。

1。 (1)AとBのどちらにも触れられていることはどれか。

2。 (2)就職活動の早期化が学第にどんな影響を与えていると言っているか。

3。 (3)社会に出てすぐに通用する即戦力を大学でつけることについて、Aの筆者とBの筆者はどのように立場をとっているか。