「モンスター・ペアレント」とは、主に幼稚園や小学校低学年などの初等教育の現場に対して抗議を行ったりクレーム (注1)をつけたりする親を指す。最近このような親が増えていて、しばしば話題に(のぼ)っている。一方、米国では「①へリコプター・ペアレン」と呼ばれる親の行為が社会間題化している。この呼び名は、もう大人として自立しなければならない年頃の大学生の子供を上空から旋回せんかいしながら (注2)見守り、地上の子供に何か間題が発生すると急降下して子供を救おうとする親の様子からつけられた。例えば、大学進学や大学生活のために実家を離れて生活をする子供に何か問題や不利益なことが発生した場合には、学校にり込みクレームをつけたり、就職試験にも付き添ったり (注3)、一緒に面接試験にまで顔を出したりもする。当の子供は何をしているかというと、②ただ身を任せているというのである。
 このような親に対して専門家は「大学生が自分で考え、決断する力が衰えるなど、悪影響が出ている」と警鐘(けいしょう)を鳴らしている (注4)。学ぶのは子供なのだから、保護者ば子供に対しては③適切な舵取(かじと)(注5)をすればいいのだという考えに立ち返る必要がある。
(注1)クレーム:苦情を言うこと
(注2)旋回(せんかい)する:円をえがくように回る
(注3)付き添う:世話をするために人のそばについている
(注4)警鐘(けいしょう)を鳴らす:危険があることを知らせる
(注5)舵取(かじと)り:人や集団の行動を一定の方向に導き、指導すること

1。 (1)①へリコプター・ペアレンの特徴として適当なものはどれか。

2。 (2)②ただ身を任せているとはどういうことか。

3。 (3)③適切な舵取(かじと)りをすればいいとは、どうすればいいのか。