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 人間は一人では生きていけない。誰かと依存し合っている。かつては、自立ということを単純に考え、依存を少なくするほど自立すると考えられたこともあった。しかし、現在の心理学はそれほど単純に自立と依存を一直線上にある対立概念としては見ていない。適切に依存し、そのことについてよく自覚している者こそ自立しているのだ、と考える。依存をなくそうと努力するあまり、人間は孤立してしまい、そのために生じる障害によって、かえって自立性を奪われてしまう。

1。 (48) 筆者の説明によると、自立した人とはどのような人か。