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 感情とは、単純な生理的な反応のことではありません。電車のなかで足を踏まれても、踏んだ相手の自分への対応によって、怒りになったりならなかったりします。自分が痛い思いをしても、ときに(注)相手の方に同情しさえします。人が感じる怒りとは、自分が傷つけられたという実感に加えて、その傷つける振る舞いが不当であるという判断も含まれているのです。このように感情は、じつは価値判断に基づいているのであり、すでにそこには思考があるのです。
(注)ときに: 時には

1。 (46) 感情について、筆者はどのように述べているか。