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以下は、仕事でリーダーの立場にある人に向けて書かれた文章である。

 「君は何がやりたいの?」「どんな仕事が好きですか?」と聞いたとき、本人の口から出てくる答えが本当に「向いていること」とは限りません。なぜなら、どんな仕事をやりたいかについては、驚くほど多くの人がイメージに左右されています。特に若い人や新人であれば、その傾向は強くなります。本人の発言を(注1)鵜呑みにしてはいけないのです。
 仕事の実情を知らずに単純に「あの仕事が好きだ!」と思い込んでいたり、「商品開発のAさんは楽しそう。私も商品開発をやりたい」と憧れていたり。上司に何をやりたいか聞かれたから、それほど強い興味があるわけではなくても「特にありません」と答えるのは気まずいので、「なんとなくやりたいもの」をとりあえず答えただけというケースもあります。
 それを踏まえずに、「君、広報が好きなの?じゃあ、やってみなさい!自分で言うなら(注2)モチベーションも高いからうまくいくだろう」というリーダーは、(注3)マネジメントという大切な仕事を放棄しているようなものです。
 本人も気づかない埋もれたスキルを引き出し、チームの勝利に貢献してもらうには、リーダーがメンバー自身よりも、その人の適性を把握していなければなりません。
(中略)
 本当に適性があれば、新しいポジションで成果を出します。成果が出ると面白くなり、ますますスキルが上がります。やがて「自分が貢献できている、チームの役に立っている」と実感できるようになれば、それがそのメンバーのやりたい仕事になっていきます。
(注1)鵜呑みにする:そのまま受け入れる
(注2)モチベーション:意欲
(注3)マネジメント:ここでは、チームのメンバーの管理

1。 (53)それとあるが、どのようなことか。

2。 (54)部下への接し方について、筆者はどのように考えているか。