(2)
以下は、羽毛を持つ恐竜について述べられた文章である。
恐竜には、鳥のように卵を温める習性があったことがわかっています。
(中略)
 気になるのは、いつから卵を温めるようになったのかということですが、羽毛を持った時点で、卵を温める習性も持っていた可能性があります。
 羽毛を持つことで、体温が維持できるようになるので、その体温を使って卵の温度を一定に保つことができます。特に夜間は気温が下がるので、夜に親が卵の上に座って眠っていれば、卵の保温にはとても効果的です。卵が一定の温かさで保たれていれば、さまざまな環境で卵が孵る確率が高くなります。
 爬虫類は卵を温めません。爬虫類の卵は、放置されても、1日のうちある程度の時間、気温が30度を超えるなどの条件が整っていれば、自然と孵ります。その代わり、爬虫類は1年のうち気温の高い限られた時期にしか産卵しません。生息地域(注)も限られます。
 羽毛のある恐竜が、鳥に近い体温を持っていたとすれば、夏以外の季節でも、寒冷地でも、安定して35~40度ほどの温度で卵を温めることが可能です。
 厳密に言うと、羽毛があると体の熱を逃がさないので、卵を温めるには不向きです。人間で言うと、衣服の上からでは温めにくいのと同じです。温めるなら、服の中に入れて直接体温が伝わるようにするはずです。
 卵を抱く時期の鳥も、卵と接する部分の羽毛がなくなり、皮膚がむき出しになります。恐竜が卵を温めていたとすれば、おそらく同じように、お腹のあたりの羽毛が抜けていたと思われます。
(注)生息地域生活している地域

1。 (51)筆者によると、羽毛を持つことにはどのような利点があるか。

2。 (52)お腹のあたりの羽毛が抜けていたと思われます。とあるが、筆者はなぜそう考えるのか。