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以下は、スポーツの指導者に向けて書かれた文章である。
 物事は、タイミングがすべてです。同じことを伝えるにしても、タイミングによって効果が変わります。いろいろなタイミングの種類がありますが、まず、初めて会ったときの相手に与える印象に気をつけましよう。相手に自分の第一印象を与えるチャンスは最初の一回だけです。話す相手が誰であろうと(注1)、あなたのメッセージの中で最初の一分が一番重要なのです。初めて指導する参加者に会うことがわかっているときには、最初に何を話すのかをよく考えて計面することはとても効果的です。
 また、メッセージは即座に送ることです。特にフィードバック(注2)をする上で、選手にすぐにその場で伝えるほうが上達を早めます。(中略)
 しかし問題が起こって、自分が感情的になり、生産的にメッセージを伝えられないと判断したときは、少し間を置く必要もあるでしよう。このとき、相手の感情がどうであるか察知する(注3)ことが重要です。大事な試合を落とした直後は選手も興奮、落胆(注4)などさまざまな感情が入り交じっていて、生産的なパフォーマンス(注5)に関する話し合いは不可能なので、一日おいて(注6)話すほうがよいでしよう。こういうときは、人の話を聞いたり、批判を受け止める状態ではないので、いくら生産的なメッセージを用意してもまったく効果がありません。
(注|)誰であろうと:誰であっても
(注2)フィードバック:ここでは、軌き方に対する指摘
(注3)察知する:感じ取る
(注4)落胆:失望
(注5)パフォーマンス:ここでは、動き方
(注6)一日おいて:日たってから

1。 (57)筆者によると、初めて選手に会うときに大切なことは何か。

2。 (58)筆者によると、選手が大事な試合に負けたときは、指導者はどうしたらよいか。