日本はほとんどの会社が年齢と共に給料が上がる年功序列主義を取っていた。しかし10年前から能力によって賃金を上げる成果主義に変える会社が増えて来た。
A社の現状
わが社は成果主義を取って約5年が経つが、成果が上がっていない。営業は自分で3ヶ月の日標を設定してその達成を目標に働くが、最近その日標を低くする社員が増えている。達成できないことを恐れるあまりの行動だと思われる。個人成績が悪いので当然会社全体の営業成績もよくない。また社員同士の競争が激しくなり以前のように教え合ったり協力したりという楽しい雰囲気がなくなってしまった。その上自分が公平に評価されていないと上司に対する不満を持つ社員が増えてきた。
B社の現状
7年前に売上げの10%を営業部門の社員に与える成果主義にした。頑張る社員が増えて営業成績も順調だったが、次第に給料の差が開いてきた。成績の悪い社員は希望がないためか辞めてしまい、新入社員の研修に時間を取られるようになった。また営業ではない社員の評価が難しかったので、成果主義を変更することにした。8人ずつのグループを作り社員同士で評価し合うことにした。例えば「課のメンパーと協力する」などということも評価の中にあるから、自分だけよければいいという人は評価が下がる。評価の結果を点数にしていくら給料を上げるかを公表している。この制度に対する社員の満足度は高い。
C氏の意見
成果主義も確かに必要だが、給料の20%以上を能力で決めてしまうと、給料が下がって生活ができなくなる恐れもある。社員は不安になり働く意欲が減ってしまう。また短期の成果を求めすぎると長期的には成果が上がらない可能性もある。社員に安定した職場や一定の給料を与え、働く意欲を持たせることが会社に利益をもたらすと考えている。