製品の①世界標準規格というのが大変重要になっている。日分の国で作って売る分には何の問題もないが、輸出することができないからだ。紙の規格でさえある。日本では紙は「B版」がよく使われている。世界的に使われている「A版」はドイツの規格だった。小さい部品にも世界標準があるので、日本の製品が買いたくても買えないことが多々あるそうだ。優れていても値段が安くても規格外の製品は売ることができない。だからどこの国も自分の国の製品を標準にしたい。もし規格外になったら会社にとっても国にとっても大損害だからだ。
一音前まではこんな制度がなかったので、いい製品を作りさえすればよかった。よく売れれば自然にその規格の製品が広まっていった。しかし現在は違う。いい製品が世界標準になるとは限らない。世界標準は1国1票で決められる。一見平等のように見えるが、かなり政治のカが働く。元々世界標準はヨーロッパが中心になって進められてきた。地理的に近い国の製品の規格が違うと不便だからだ。それで現在でもヨーロッパ主導で規格が決まることが多いのだ。
日本は高い技術力を持っているが、この世界標準規格を取るという点では遅れてしまった。特に中小企業ではその存在すら知らずに多くの会社が海外市場を失った。国際標準の製品を作ることだけでは失った市場は取り戻せない。国際標準規格にどう取り組むか。ある中小企業のスイッチが国際標準規格に選ばれた。それは手で押すとスイッチが入り、離すと切れる、さらに強く握った場合にまた切れる。人間が危険を感じると反射的に強く掘ってしまうという行動から生まれたすぐれたものだ。この会社のように進んで規格を提案して採用されるように努力することが大切だ。
また世界標準を取るときにたくさんの協力してもらえる国を作る必要もある。例えば中国だ。中国では製品によっては独白の規格の製品が作られ、大売れだそうだ。高い特許料を払いたくないので他の技術を使って製品を作っている。こんなことができるのも13億もの人口を持っているからだ。中国市場は大変大きいのでどの国も無視できない。標準規格採用時にも現在では中国の意向が影響することがある。次はインドかもしれない。では政治的な面では日本はどうしたらいいか。技術の優良さだけを主張しても駄日だ。世界標準を主張するとき、相手の国にとって得になるような提案をする必要があるのではないだろうか。