Aさん
 日本では約75%の人が病院で亡くなります。そこではやりすぎと思われるほどの治療を受けます。死の間際になるとたくさんの管でつながれて身動きできないことがよくあります。確かに命はありますが、ただ生きているだけのように思われます。私は少し長く生きるために毎日の生活を犠牲にしたくないです。自宅で好きなように暮らし、痛みや呼吸困難で入院しなければならなくなっても最低限の治療を受けるだけでいいです。それで過多な医療治療を受けない尊厳死という選択をしました。

Bさん
 尊厳死がいいと思っていましたが、娘が意識不明になって考えが変わりました呼吸器をはずしてやりたい、もう十分だという思う一方、まだ希望が捨てられません。医者からは呼吸器をはずせば死ぬと言われています。他人から見れば娘はもう死んでいるのでしょう。しかし私にとってはそこにいるだけでもいいのです。触ると温かく確かに生きていることが実感できます。娘は早く死なせてくれと思っているかもしれません。それでも私はこの状態が1日でも長く続くことを望んでしまいます。。

Cさん
 医者としての立場と患者になったときとでは考えが違います。病院は「決して死なせてはならない」「治療し続けなければならない」場所なのであらゆる治療を試みます。私もそうしています。2・3日の命と分かっていても治療し続けます。それが時には患者に苦しみを与えることもあります。ですから私はもし治る見込みがないときは自宅で静かに暮らしたいと思います。死ぬための準備やしたいことをして満足して死にたいです。痛みなどがひどくて自宅にいられないときはホスピスを選びます。治療するのではなく痛みや不安、孤独から救ってもらいたいからです。万一病院に入院という最悪の場合でも積極的な治療は受けないつもりです。

1。 (69)現代の病院の治療について述べているのはどれか。

2。 (70)治る見込みのない状態になったときの3人の意見はどれか。