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地方にあるにもかかわらず労働条件がすごくいい「未来工業」という会社がある。労働者の全員が社員だと聞いただけでも素晴らしいと思う。「年間140日前後の休日。残業はない。もし残業したら罰金。労働時問は1日7時間15分。年末年始休暇は2週間前後。育児休暇3年間。全額会社持ちの海外社員旅行。定年70歳で60歳以降も手当は減るが基本貸金は下がらない。営業ノルマ無し」などである。こんな会社だから、海外からも見学者が絶えない。見学は3〜4時間かかり、案内する人も必要だ。だから1人2000円の料金を取っている。
特に素晴らしい技術があるわけではない。しかし利益を上げ続けている。なぜか。「常に考える」と言う方針の下、「改善提案制度」がうまく機能しているのだ。ただ提案するだけで500円がもらえる。だから800人ほどの社員で年間13000件ほどの提案があるそうだ。1年間に650万円ほど支出していることになる。経費を節約するために蛍光灯の1本1本に名前のカードが下がっている。責任を持たせるためだそうだ。これも誰かの提案だろう。この会社の製品はどこにでもあるような物だが、ちょっと他社のより使いやすかったり、工夫がされていたりする。だから当然価格も高くすることができる。提案制度が社員をやる気にさせ、会社の原動力になっている。