短文
(1)
ファッションなど、流行は模倣を前提にしている。真似られなければ、ファッションなど成立しない。ミニスカートをデザインしたとしても、特定のデザイナーのものだけが売れるのでは、流行にはならない。多くの者が模倣してははじめて流行は成立するため、ファッションなどには、模倣を誘発させようとする意図が最初から織り込みずみだ。

(45)流行について、筆者はどのように考えているか。

短文
(2)
下は、書店から贈られてきたメールの内容である。
吉川美知子様
この度は、ブックネット A書店にて、以下の商品をご注文いただき誠にありがとうございました。
注文番号:731-5777427-2785468
ご注文商品:「S先生との対話」
在庫の確認をいたしましたところ、ご注文いただきましたこの商品は、絶版になっているこ とがわかりました。
つきましては、誠に勝手ではございますが、
すでにクレジットカードでお支払いいただいた上記ご注文の代金を全額お返しするよう処理させていただきます。
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
なお、この件につきましてご不明な点がございましたら、以下のアドレス宛にお問い合わせ くださいますようお願いいたします。
■ブックネット A 書店■
注文管理担当
武田博
お問い合わせメールアドレス:tyuumon@bukkunetto-a-syoteikyo.jp
(注) 絶版:一度発行した書籍の印刷・販売を中止すつこと

(46) このメールの用件は何か。

短文
(3)

(47) 筆者の考えに合うものはどれか。

短文
(4)
専門家・研究者やマスコミにはごみ問題や斜面林や里山(注)などの破壊といった身近な環境問題を注視せず、いくつかの代表的な環境問題ばかりを取り扱う傾向が強い。マスコミなどが注目する環境問題に取り込んでいることが、専門家の専門性を誇示し、専門家としてのステータスを維持させることにつながっているように見える。環境問題が話題性の高いものに特化されることは、日常的な環境問題が大部分の専門家・研究者から無視され、放置されること になる。
(注) 里山:人家の近くにあって、人の生活と関係が深い森林や山。

(48) 筆者は、専門家・研究者の環境問題への取り組みをどのようにとらえているか。

中文
(1)
 蝶の雄は、雄の翅の色を目じるしにして、配偶者たる相手を探すモンシロチョウの雄の規の裏の、黄色と紫外線のまざった色――この色を指示する特定の単語をわれわれ人間はもっていないーーは、モンシロチョウにとってモンシロチョウの雄にとっては、モンシロチョウの雌であることの記号である。(中略)
 さて、この記号は光による記号である。光は直進するから、目によってそれを見た雄は、それに向かって直進すれば、雌ところにゆきつける。匂いのようにそこらじゅうに拡散するものを記号に使う場合より、よほど①かんたんである
 けれど、それなりに不便なこともある。光が直行するからには、その光の進路を、一枚の葉が返っても、もう唯の記号は見えなくなってしまう。ということは、雌の存在を見出すことはできないということだ。これに対処するにはどうしたらよいか?ひらひら舞いながら、すこし上から見たり、ななめから見たりすることだ。
 もし蝶が蜂のようにブーンとまっすぐ飛んだとしたら、②雌をみつけだすチャンスはぐっと減ってしまうにちがいない。
 それと同時に、翅が雌の記号である蝶にとっては、翅は大きいほうが好ましい。そのため彼らは、「二つ折りのラブレター」にとって、航空力学的にもひらひら飛ぶほかはなくなった。けれど③それは、ひらひら飛ばねば雌が発見できないという要請と、まったく矛盾していなかったのである。

(49) ①かんたんであるのはなぜか。

(50). ②雌をみつけだすチャンスはぐっと減ってしまうとあるが、なぜか。

(51) ③それとは何か。

中文
(2)
 私には、「わからない」と思うことがいくらでもある。そういうことを一つ一つつぶして行くのが人生だと思っているから、やることはいくらでもある。つまりは、人生とは「わからないの迷路」である。だから、そのさまざまに存在する「わからない」を、まず整理しなければならない。「木を見て森を見ず」とは言うが、「わからないの迷路」に圧倒されているだけの人間は、その逆の、①「森を見て木を見ず」なのである。
 耳大なる「わからないの森」は、その実、「わかりうる一本の木」の集大成なのである。だからとりあえず、「わかりうるもの」を探す。手をつけるべきは、「こんなくだらないものの答えが全体像の解明につながるはずはない」と思えるようなところである。
 「くだらない」ーだから「どうでもいい」と思って放り投げてしまうのは、それを「わかりきっている」と思うからである。つまりそれは、「わかる」のである。「わかる」は、「わからない」を解明するためのヒントである。つまりは、( ②)ということである。
 とりあえず「わかる」ーどうでもいいようなことでも、とりあえず「わかる」と思えるようなことを確保する。それであなたは、「わかっている」のである。なにかが「わかる」になれば、「わかるとはどのようなことか」という理解が訪れる。それがつまりは、「方向の発見」である。

(52) ①「森を見て木を見ず」とはどういう意味か。

(53) ( ② )に入るのはどれか。

(54) 「わからない」と「わかる」について、筆者が述べていることはどんなことか。

中文
(3)
 書を読むという行為が、人間の成長や知的能力の向上に必須なものであることを、かつての社会は経験法則的に理解していたのではなんだろうか。素読(注1)のなどは強制的、修養(注2)的なものではあるが、読書習慣の形成を何よりも重視する教育メソッド(注3)のであったことは確かである。しかし、①私たちの世代はどうであろうか、書物というものが映像や音響メディアなどと単純に比較することを許さない必需品であり、読書は基本的な能力であるという確信をいだいてきたものの、近年の社会経済のあり方によって自信を喪いかけていたことは否めない のではないだろうか。
 活字以外の表現手段が大きな影響力を持つようになったことを、②「時代の流れ」と呼ぶのはいいが、文化の変容があまりにも急激なこと、あるいは一つの有力な文化が別のものに置き換えられることには予測しがたい弊害を伴う。活字にもいろいろあるが、書物に特有の楽しみを与えてくれる本、思索の喜びをもたらしてくれる本、人生の支えになるような本が相対的に少なくなったのは、1980年代の半ばごろからで、書店の棚には情報的な本や、映像文化の書籍化をねらった寿命の短いものばかりが目立つようになった。家庭からはスペースの狭さを言い訳に、本棚が姿を消してしまった。
 ちょうどその頃から映像文化や活字文化の本質を考えるメディア論が盛んになったが、今から思えば従来の活字文化が衰弱した場合にどうなるかという洞察力において、いささか欠け るところがなかっただろうか。
(注1) 素読:ここでは、意味を考えずに、声を出して読むこと
(注2) 修養:学問を修め人格を高めること
(注3) メソッド:方法

(55)①私たちの世代とあるが、筆者の世代についての読書はどのようなものであったか。

(56) ②「時代の流れ」は、書物にどのような変化をもたらしたか。

(57) 1980年代半ば以後のメディア論について、筆者はどのように述べているか。

長文
 そもそも私は、組織内の人間の目や無理やり一致させる必要はないと思っている。要は、それぞれの目標を達成することが、結果として組織としての目標達成につながればいいのだ。そのために大切なのは、組織の目標と個人の目的に接点を持たせ、双方が最大限の利益を得られるような柔軟性を持った仕組みをつくることである。
 ラグビーでいえば、チームの目標はもちろん「勝つこと」である。しかし、チームを構成する選手には、それとは別に、それぞれの目的があるかもしれない。「自分のスキルを向上させたい」「日本代表に入るため」「プロ契約をしてもらうため」「ただ、好きだから」というように.....
 こうした個人の目的を無視し、ただ「勝つ」というチームの目標だけのためにプレーを強要してしまっては、チームから活力が失われてしまうだろう。 (中略)
 たとえば、職場を選ぶ際に「やりたいことをできるかどうか」「自分の資質や可能性を活かせるかどうか」を第一義に(注1)考えるのは当然であるが、最近の若い人の中には「仕事がおもしろくないのなら、嫌な仕事をするくらいなら、さっさと別の企業に転職したほうがいい」と考える人間が増えているという。自分に関係のあること以外にはまったく興味を示さず、会社全体としての目標達成よりも個人の目的や利益を優先させる人間も少なくな いようだ。
 ①こうした傾向について「最近の若い奴は我慢が足りない」とか「自己中心的だ」と結論 づけてしまうのは簡単だ。
 だが、私はむしろこう考える会社に対する「価値観」やそこに所属するための「目的」が多様化しているのだと。つまり、かつてのように組織の中で目標が一元化されえなくなったのが「今」という時代なのである。これはよい悪いとか、正しいか正しくないか という以前に、現実なのだ。
 であるならば、そうした状況を②嘆いてもしかたがない。むしろ組織にとって重要なのは、彼らをいかに活かしていくかということだろう。「そんな考え方は通用しない」とか「おれの言うことが正しい」と、指導者が(注2)価値観を押しつけたりしていては、若い人たちはついてこない。離れていくだけである。結果として組織の力は低下してしまう。
 それならば、まずはそれぞれの目的を「許容」してはどうか。そのうえで、「共有」すべきはチームの目標であると全員の意志を統一させ、各自の役割を責任を持って果たさせるのである。そうすれば、個人のモチベーション(注3)を下げることなく、チームとしての目標達成につながっていくはずである。 それは、これからの組織運営に欠かせないことだと思う。
(注1) 第一義に:最も重要なこととして
(注2)旧来の:昔からの、
(注3) モチベーション:意欲

(58) ラグビーの例で筆者が述べていることは何か。

(59) ①こうした傾向とはどのようなことか。

(60) ②嘆いてもしかたがないと筆者が考えるのはなぜか。

(61) 作者によると、組織運営のために必要なことは何か。

統合理解
A
 企業の採用試験では、必ず志望動書いて提出する。もちろん仕事を希望する理由を書くのだが、大切な点が抜けている場合がある。「なぜ、その会社でなければならないのか」が明確に書かれていない場合だ。例えば、出版社への応募書類で、志望動機として「感動させる本が作りたい」としか書かれていなかったら、この人は出版社に入りたいだけで、その出版社に入りたいわけではないと思われてしまうだろう。他社ではなく、どうしてもその会社に入りたいという強い意志を相手に伝えることが重要だ。
 そのためには、まずは情報収集が欠かせない。特徴や経営方針を正しく理解したうえで、自分がその会社でどのような仕事ができるかという視点でまとめていく。そうすれば、なぜその会社なのかが明確な志望動機が書けるだろう。

B
 就職試験において、志望動機はどのように書けばいいのか。自分の能力や経験を最大限にアピールすることが重要だと思うかもしれないが、それらを入社後にどのように生かせるかを書かなければ、説得力のある志望動機だとは言えない。
 特に、規模や製品、経営者など、企業の特徴のようなホームページを見れば分かる情報を、ただ並べて書くだけでは、意欲は伝わらない。具体的な業務の内容に触れながら、自分の能力や経験と結びつけて説明することが必要だ。業務の内容をよく調べ、その企業で求められている能力や技術を分析して、それらの要求に自分が応じられるというこ とをアピールするべきだ

(62)よくない志望動機の問題点について、AとBはどのように述べているか。

(63) 志望動機を書く際に、AとBが共通して重要だと述べていることは何か。

主張理解
 人間の生存に不可欠なのは衣食住ですが、人問というのは、それだけでは生きていけない生きものです。衣食住に加えて何が必要かというと、それは自尊心です。自尊心というと、高慢さを連想して、悪いイメージを持っている人が多いようですが、私がここで言う自尊心とは、 「自分には生きていくだけの価値がある」と思うこと、極端に言えば、「この世界のなかでいくらかの場所を占領し、食べものを食べ、水を飲み、空気を吸って生きていてもかまわないのだ」と思うことです。そう信じられなくなったとき、私たちは生きつづけるために必要な気力を失い、ときには命を絶つことさえあります。
 じつは、人間のさまざまな行動は、この自尊心の動きに支配されているのだと考えると、とてもよく理解できます。私たちに、一生にわたる自尊心の①基盤を与えてくれるのは、言うまでもなく、幼いときに育ててくれる親や、それにかわる人たちの、無条件の愛情です。幼い子どもにとっては、自分の家族が全世界ですから、そのなかで大切にしてもらえば、自分の価値を信じるのはたやすいことです。しかし、そこで与えられるのは基盤にすぎず、保育園、幼稚園などの集団に入ると、親の愛の上に築いた自尊心はもろくも崩れてしまいます。自分とっては絶対であった親が、世の中のたくさんの人たちの一人にすぎないのなら、その親に保証してもらった自分の値打ちも、ちっぽけなものにすぎないことになるからです。
 そこから、子ども自身による、自尊心回復のための戦いがはじまります。幼い子どもというのは、無邪気な会話をしているかと思うと、親の持ちものの自慢をしたり、何かを持っていない子をのけものにしたり(注1)といった、「子どもらしくない」と言いたくなるようなふるまいをはじめるものです。しかしこれらは、子どもなりの自尊心回復の手段なのであって、その意味ではきわめて②「子どもらしい」のです。不幸にして家庭の愛情がじゅうぶんでなかったり、「いい子」でいないと愛してもらえなかったりする子どもたちは、すべてを自力で獲得しないといけませんから、とりわけ競争での勝ち負けにこだわることになりがちです。子どもたちのそんな様子に、大人はつい眉をひそめ(注2)たくなりますが、生きるために自尊心がどれほど必要かを考えれば、無理のないことだと理解できます。
(注1)のけもるのにする:仲間はずれにする
(注2)眉をひそめる:不愉快な気持ちを表す

(64) 筆者は、①基盤は何によって築かれると言っているか。

(65) 筆者は、子どもが集団に入ると、なぜ自尊心が崩れると考えているのか。

(66) ②「子どもらしい」とあるが、著者は、何が子どもらしいと言っているのか。

(67) 筆者は、子どもが成長するためにはどんなことが大事だと言っているか。

情報検索

(68) 会社員のイリヤさんは年問セット券を購入することにした。星山ホールで行われるシリーズで、40,000円以内のものがいい。そして、公演数ができるだけ多く、席種はランクが高いものがいいが、ランクより公演数を優先したい。イリヤさんはどの年間セット券を購入するか。

(69) ススマンさんは「1特別公演」の年間セット券(A席)を持っている。来月10月23日の公演のチケットを「3名曲集公演」の10月30日の公演(A席)に振り替えたい。いつまでにチケットオフィスに電話しなければならないか。また、席が確保された場合、電話のあと どうしなければならないか。