漢字読み

1。 話が本筋からそれてしまった。

2。 友人にピアノの伴奏を頼まれた。

3。 名探偵の推理で事件は無事に解決した。

4。 先日の会議では、極めて重要な問題が話し合われた。

5。 もう少しアイディアを練ってからお話しします。

6。 靴のひもを締めた

文脈規定

7。 各国のテレビがそのニュースを(  )

8。 森林伐採が環境に(  )影響は大きい。

9。 吉田さんは弁護士として20年もの(  )を積んできた。

10。 この小説の主人公は歴史(  )の人物をモデルにしている。

11。 交渉が(  )進み、無事に契約することができた。

12。 次の大会に向けて、チームの(  )を強めよう。

13。 その企業は巨大な資本を(  )に、海外の市場に進出した。

言い換え類義

14。 今回の研修会は、出席者がまばらだった

15。 昨日は一日中どんよりした天気だった

16。 父は毎朝、丹念に新聞に目を通す。

17。 最近、仕事がはかどっている

18。 検討の結果、この計画は見合わせることになりました。

19。 激しい雨のため、やむをえず試合は延期することになった。

実践練習

20。 調達

21。 細心

22。 意地

23。 めきめき

24。 目先

25。 見落とす

文法形式の判断

26。 山川鉄道は、3月で開業90年を迎えるの(  )最新型車両を導入し、15日から営業運転を開始する。


27。 いかなる理論でも、データによって実証されなければ多くの人に(  )しない。


28。 (テレビのコマーシャルで)
「こちらは添加物を(  )使用していない、ヘルシーな食用油です。」


29。 「今回のプロジェクトを任され、その責任の重さに身が引き締まる(  )です。」


30。 「このたびは、私どもの商品発送ミスにより、お客様に大変ご迷惑をおかけしましたことを深く(  )。
申し訳ございませんでした。」


31。 上司「君、困る(  )!資料にミスがあったぞ。君のせいで大恥をかいたよ。」
部下「すみません。うっかりしておりまして……」


32。 地球温暖化抑制への貢献が、ここ 10 年あまりの間に、優良企業の条件の一つ(  )ようだ。


33。 子ども「お母さん、来週の日曜日、さくら山に行ってもいい?」
母親「だめよ。今の季節、あの山にはハチがたくさん出るのよ。万が一、(  )大変でしょ。」


34。 自慢する(  )が、私は入社以来 10 年、一度も遅刻をしたことがない。


35。 「いくら注意しても、後輩が同じ失敗を繰り返します。私は注意し続けるべきでしょうか。それとも本人が気づくまで、もう何も言う(  )。」


文の組み立て

36。 山田監督は私の恩人です。今の _ _  _ ことです。


37。 いったん仕事を引き受けた _ _  _ 最後までやり通すに違いない。


38。 ちょっと考えれば、さっきの話が冗談 _ _  _、単純な彼は簡単に信じてしまった。


39。 かつて映画スターであった山田氏が初挑戦で知事選に勝利したのは、能力という_ _  _大きい。


40。 この植物はとても強いので、_ _  _ ちゃんと育ちますよ。


文章の文法
 いまはコミュニケーション能力が過剰に求められる時代である。職場でも学校でも、あるいはもっとプライベートな空間でもいい。あらゆる人間関係において、自分の価値を認めてもらうためには高度なコミュニケーション能力が必要とされる。書店に行けばコミュニケーション能力を高めるための自己啓発本があり余るほどでているし、わざわざそのための学校に(4 1 )。
 確かに、いまの産業のあり方をみると、コミュニケーションが富を生み出す経済活動の中心にきていることがわかる。製造業は人件費の安い海外に工場をどんどん移転させ、国内に残っているのは、マネジメントや企画、研究開発、マーケティングといった本社機能的な仕事ばかり。そこでは、組織をまとめあげる、アイディアを出す、交渉する、プレゼンをする、ディスカッションをするといった、高いコミュニケーション能力が必要とされる活動がどうしても物を言う。社会のあり方が、工場中心からコミュニケーション中心へと大きく転換しているのである。
 しかし、コミュニケーション能力が、人びとの価値を決める独占的な尺度になることは、 (42) 。事実、コミュニケーションべたで自己アピールにそれほど長たけ(注1)ていなくても、能力のある人はいっぱいいる。私も大学でゼミを指導していると、ゼミの議論では目立っていてもリポートの出来はそれほどでもない学生や、逆にゼミではおとなしくてもすばらしいリポートを書いてくる学生に頻繁にであう。コミュニケーションの巧みさと本人の能力は必ずしも一致しない。もちろんコミュニケーション能力も人間の能力の一つではある。だから、それが評価基準の一つになることは当然あっていい。 (4 3) 、コミュニケーション能力をめぐる過当(注2)な競争は、人間関係にひずみをももたらすだろう。
 引きこもりは、社会のなかで要求されるコミュニケーション能力があまりに高いため、一度他者とのコミュニケーションにつまずくと、なかなか新たなコミュニケーションに踏み出せなくなってしまうことから生まれる。引きこもりまでいかなくても、周りとのコミュニケーションのなかで自分がまともに相手にされなければ、誰だって心を閉ざしてしまい、内にこもりがちになるだろう。コミュニケーション能力をめぐる競争が激しい社会は、 (4 4) 人にとても冷淡だ。
 また、いじめは、子供たちのコミュニケーション能力の欠如からおきているのではなく、逆に、みんなが空気を読みすぎることで生じるストレスのはけ口を特定の人間に向けることでおきている。こうしたストレスや重圧は、子供に限った問題ではない。空気を壊してはならないという圧力は、人々にコミュニケーション能力をさらに要求するだろう。しかし、それが進めば、社会のなかで同調圧力が強まり、社会そのものが萎縮(注3) (4 5)。

(萱野稔人「私の視点」2009年4月9日付朝日新聞朝刊による)


(注1)長(た)ける:優れている
(注2)過当(かとう)な:適当な程度を超えている
(注3)萎縮(いしゅく)する:元気がなくなる

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