相談者:私の彼のことで相談したいことがあります。彼は私の誕生日などによくセーターやアクセサリーをプレゼントしてくれるのですが、彼からのプレゼントはいつも(あわ)(いろ)を多く使った、女の子らしいかわいいデザインのものが多いです。
 彼のことはとても好きだし、一生懸命(いっしょうけんめい)選んでくれているのがわかるだけに、①私の本当の気持ちを言い出しにくくて困っています。どうしたらよろしいでしょうか。

回答者A:
 これからも長くお付き合いすることを考えているのなら、やはり彼にあなたの本当の好みを伝えてわかってもらったほうがよいと思います。でもプレゼントをもらった時に「こういうのは好きじゃない」というと彼を傷つけてしまうので、ふだんからデートの時にショーウインドなどを見ながら、「わたしこんな服が好きなのよ」とか「これ、ほしいなあ」などと言って、彼にそれとなく伝えるようにしてはいかがでしょうか。

回答者B:
 自分で思っているイメージと他人が見たイメージとは違っていることも多いものです。自分では「シャープなデザインが似合う」と思っていても、彼から見ると「かわいらしい感じのデザインが似合う」と思っているかもしれません。自分で自分のイメージを決めてしまわずに、一度思い切って身につけてみてはどうでしょうか。新しい自分が発見できるかもしれませんし、彼もそれをきたいしているかもしれませんよ。

(69)「①私の本当の気持ち」とは、どんな気持ちか。

(70)「相談者」の相談に対するA、Bの回答について、正しいのはどれか。

利用者:「A」
私はこの 3 月に高校を卒業して、今は大学受験の準備中です。この図書館は小さいですが、あまり混まなくて静かなので毎日来て勉強しています。以前は、平日だけ開いていたのが、先月から第二・第四土曜日も開館になり、その代わりに開館した土曜日の次の月曜日は休館になりました。前は週末にはまったく利用できなかったので、便利になったという人もいるでしょうが、次の月曜が休館なので、結局開館日が増えたわけではありません。また、平日は人も少なく落ち着いて勉強できたのが、土曜は朝から利用者が多く、席が取れないこともあります。私の勝手な希望かもしれませんが、もう一度開館日を考え直していただけませんか。それが無理でも、せめて利用者が増えた分、席を増やすなどしていただければと思います。

利用者:「B」
新刊図書や雑誌がたくさん置いてあるので、時々この図書館を利用しています。前は、平日しか開いていなかったので、会社から帰宅するころには既に閉館していて利用したくてもなかなか難しい状況でしたが、先日から週末にも利用できるようになり、週末の楽しみが一つ増えました。現在、週末は隔週の開館ですが、毎週開館するようになればもっとありがたいのですが。もう一つ、平日の開館時間は以前の通り9時から 6 時までなのに、土曜日はどうして9時から3時までなのでしょうか。土曜日に開館したら次の月曜は休館されるのですから、週末も6時まで開けていただければもっと利用しやすくなると思います。ご検討ください。

(69)この図書館の開館日数・開館時間はどう変わったか。

(70)利用者「A」と利用者「B」は開館日の変更についてどう思っているか。

A

応募(おうぼ)の結果について


拝啓(はいけい)

時下(じか)、ますますご健勝( けんしょう)のことと、お喜び申し上げます。
このたびは弊社(へいしゃ)の社員採用試験にご応募いただき、ありがとうございました。さて、面接の結果につきまして慎重(しんちょう)に協議いたしましたが、残念ながら、今回は不採用とさせていただくことになりました。
なお、お預かりした履歴書(りれきしょ)をご返送(へんそう)いたします。
今後のご活躍をお祈り申し上げます。

敬具けいぐ)

B

面接試験のご案内



前略ぜんりゃく)

先日実施いたしました採用試験の選考せんこう)の結果、あなたは、第一次選考に合格されましたので、お知らせいたします。
つきましては、下記の通り面接試験を実施いたしますので、よろしくお願いいたします。 なお、当日お越しになれない場合は、前日までに必ず当社総務部、本田までご 連絡ください。

1.日時 :平成 2X 年 5 月 20 日(木曜日)午前 9 時 30 分~午前 11 時 30 分
    ※午前 9 時より、受付を開始いたします。
2.場所 :○○県みどり市西町 3-2-1 みどりシティホール 1F 小会議室
3.)もの)本状ほんじょう)・筆記用具・印鑑(交通費を精算さいせん)いたします)

以上いじょう)

(69)AとBに共通して書かれていることは何か。

(70)Bの通知の内容と合うものはどれか。

A 

仕事でも個人の付き合いでも、メールはなくてはならないコミュニケーシ ョンの道具だと思います。職場ではちょっとした意見交換はメールで、という ことも増えています。ただ、最近、驚いたことがありました。会社で、目の前 に座っている同僚から送られてきたメールです。そのメールには私に対する強 い不満と批判が書かれていました。言いたいことがあれば口で言えばいいの に、わざわざメールで送ってきたのです。思わず相手の顔を見たのですが、い つもと変わらない表情で、逆に①怖い気がしました。
メールは、一方的に言いっぱなしにすることができます。面と向かって言 いにくいからこそ、メールで送ってきたのだと思いますが、メールに頼ってば かりいると「面と向かって言う力」がだんだん落ちてくると思います。(45 歳・会社員)

B 

メールは本当に便利な連絡手段です。最近は友達と出かける約束をするの もほとんどメール。携帯電話のメールなら本人に直接届いて、すぐに返事が来 るので安心です。相手の時間を気にすることなく、こちらが好きなときに送っ ておけばいいのも便利です。
また、メールは自分の本当の気持ちを伝える手段としても便利だと感じま す。例えば電話や顔を見て話しているときはいえなかったことも、メールだと 伝えやすい場合もあります。私は今、東京の大学に通っていて、親と離れて暮 らしていますが、メールを使うようになって、前よりも感謝の言葉を素直に伝 えられるようになりました。家にいるときはけんかばかりしていたのに不思議 なものです。(20 歳・学生)

(69)①怖い気がしました、というのはなぜか。

(70)AとBは、メールについて、どう思っているか。

A
敬語を使い慣れない人がよく間違えるのが、過剰な敬語です。
「◯◯さんがおみえになられました」とか、「お召し上がりになられましたか」というのは、どこかおかしいと思いませんか。丁寧に話そうとして、敬語をたくさん使ってしまうのかもしれませんが、これでは、かえって聞きにくく失礼になります。
「◯◯さんがおみえになりました」「召し上がりましたか」が正しい表現方法です。
B
 現在では、丁寧すぎる二重敬語は過剰だと考えられるようになり、敬語の研究者を中心に「好ましくない敬意表現」として扱われています。しかし、日常会話では自然に使われていることも多く、マスコミでも、皇室報道では二重敬語を使っている場面も多く見受けられます。・・・・
 「お・召し上がり・になる」や「お・伺い・いたし・ます」等は、適度な丁寧さを感じて不快感がないので、許容されている(注1)表現だと言えます。
   二重敬語はすべてだめだというわけではない 敬語は重ねてもよいが、あえて重ねる必要はないのです。
C
地位の高い人には、ついつい気負いすぎて(注2)敬語をいくつも重ねて しまうもの です。しかし、場合によっては、間違った使い方(二重敬語)になってしまう こともあります。
 たとえば、「社長がおっしゃられたことも、ごもっともだと思います」。 これは、「おっしゃる」プラス「られる」と、敬語表現を重ねているので、間 違いになります。正しくは、「社長がおっしゃったことは、ごもっともだと思います」です。・・・・ 敬語は、いくつも重ねればよいというものではありません。使いすぎるとかえって 間違った敬語使いになってしまうので気をつけましょう。
(注1) 許容する:認めて受け入れる
(注2) 気負いすぎる:頑張ろうと考えすぎる

(69)A~Cで共通して述べられていることは何か。

(70)「二重敬語」について、それぞれの筆者はどのような立場をとっているか。

 ゴミを減らそうという方向性には賛成する。また、ゴミを減らすには町民の 意識の変化が必要だとする意見にも賛成してよい。しかし、町は自らがゴミを 減らす努力をせずに、負担を町民に押し付けようとしているのではないか。町 が積極的に解決を目指すことなく、すべてを住民の負担にしようというのはど う考えてもおかしいであろう。もしもゴミ有料化条例が行われた場合、コンビ ニエンスストアやスーパーマーケット、公園などのゴミ箱に大量の家庭ゴミが 捨てられるような心配はないのか。また、空き地や山などにゴミが捨てられ始 めたらどのように処理するつもりか。ぜひ町の意見を聞きたいと思っている。(町民 A)
町が提案している有料化条例は、本当に必要なのでしょうか。もっと他に有 料化するべきサービスや、早くやめてしまった方がよいサービスがあると思い ます。町は、有料化を、ゴミを減らすために行うことだと説明していますが、 有料化したからといって、ゴミが減るとは思いません。ゴミの量は、それぞれ の人の生活スタイルや生活レベルによっても、大きく違っているのではないで しょうか。経済的に余裕のある人ならば、「お金を払ったのだから」と、逆に 多くのゴミを出すようになるかもしれません。ゴミを減らすことが、町民の意 識の問題だというのならば、今回のような一方的なやり方はどうかと思います。町民全員が納得できる方法を、考えてほしいです。(町民 B)

(69)ゴミの量を減らそうとすることに、A の筆者と B の筆者はどのような立場をとっているか。

(70)町がゴミを有料にしようとしていることに、A の筆者と B の筆者はどのよ うな立場をとっているか。

A
社内にばかりいると、ビジネスマンとして人脈じんみゃく)(注1)も広がらない。そこで、セミナーや勉強会、講演会などに出かけて自己をみが磨いている人も多いはずだ。しかし意外と、あまりメモもとらず、「聞きっぱなし」という人も多いのではないだろうか。
 話を聞いているときは「なるほどなあ」と思っていても、それを的確にメモしてなければ、あとになって「あの話は何だったっけ」ということになる。人間は忘れやすい動物なのだ。
 では、こういうときのメモはどうすればいいか?
 基本的なことは、話の内容をいちいちすべてメモしまい、ということである。漫然まんぜん)(注2)と聞いて、話したことをすべてメモしていたら、核心かくしん)(注3)が見えなくなる。そこで、自分の仕事やライフスタイルに関係すること、本当に興味のあることしかメモしないのである。

(坂戸健司『メモの技術』による)


B
昔、ある大学者が、尋ねてきた同郷どうきょう)(注4)郷の後輩の大学生に、一字一句教授のことばをノートにとるのは(注5)ぐ愚だとおし訓えた。いまどきの大学で、ノートをとっている学生はいないけれども、戦前の講義といえば、一字一句ノートするのは常識であった。教授も、筆記に(注6)便なように、一句一句、ゆっくり話したものだ。
 その大学者はそういう時代に、全部ノートするのは結局頭によく入らないという点に気付いていたらしい。大事な数字のほかは、ごく要点だけをノートに記入する。その方がずっとよく印象に残るというのである。
字を書いていると、そちらに気をとられて、(注7)内容がおるすになりやすい。

(外出滋比古『思考の生理学』による)

(注1)人脈:人のつながり
(注2)漫然と:あまり注意しないで、なんとなく
(注3)核心:一番大切な部分
(注4)同郷の:同じ出身地の
(注5)愚だ:ばかだ
(注6)便なように:便利なように
(注7)内容がおるすになりやすい:内容に注意が向かなくなりやすい

(69)Aは、なぜメモをとることを勧めているのか。

(70)AとBで共通して述べられていることは何か。

(2)



 子どもに複数の「習い事」をさせるのはかわいそうだという人がいますが、私はそうは思いません。「習い事」をさせることは、その子が持っている可能性を引き出すチャンスを与えることだと私は思っています。大人になってからの「習い事」は、多くの場合、趣味でしかありませんが、子どものうちにする「習い事」は、その子の将来を左右するような影響力を持ち得るのです。複数の「習い事」をさせることは子どもにとって決してかわいそうなことではなく、親にしか与えられない子どもへの贈り物ではないでしょうか。





 子どもは自由に遊ぶ中で人間関係を学び、様々な能力を身につけていくものです。複数の「習い事」によって子どもの自由時間を奪うことは、そのような成長の場を奪うことにもなりかねません。「習い事」によってある一分野の力をつけることと、人として必要な総合的な力をつけることはどちらが大切でしょうか。また、親が強制的にさせる「習い事」は、子どもの能力を引き出すどころか、子どもにとって大きなストレスになってしまう場合が多いと思います。ただ最近は、大多数の子どもが「習い事」をしているため、子どもが自ら友人と同じ「習い事」をしたがることも少なくありません。そのような場合には、仲間作りの一つの場となるので、「習い事」を利用するのも意味のあることだと言えるでしょう。

問1 子どもに習い事をさせることについて、A、Bがとっている立場は次のどれか。

問2 A、Bは習い事をさせる利点をそれぞれ何だと考えているか。

A
 仕事で成果を出すにはノートの活用がお勧めです。ノートにはスケジュール管理や収 集した情報の記録だけでなく、日々の仕事に関する気づきや考えをいつでもどこでも書 くことが可能だからです。毎日仕事で忙しいときちんと記録することが面倒になりがち ですが、メモのように書くことなら気楽にできます。また、ノートに書いておけば、自 分の考えを後から見直すこともできます。
では、どのように書いたらいいのでしょうか。テーマ別に分類したり、整理して書こ うとすると負担となり続けられないので、日付の順で構いません。仕事に関することは 何でも一冊のノートに書き込んでいくのがいいでしよう。

B
 ノートとは新しい情報を記録するためのものだ。必死にノートに書いて覚えたという 学生時代の記憶からか、そんな思い込みがあるかもしれない。
しかしノートの利用法はそれだけではない。ノートをうまく利用すれば、自身の考え を改めて検討することができる。仕事では、新しいアイデアを提示したり、困難な課題 を解決したりする能力が求められる。そのような力を養うために, ノートには情報を記 録するだけでなく、自身の気づきや考えを書いて整理するという方法が有効だ。情報の メモと考えはノートを別にするのがよいだろう。そうすることで集めた情報の中におぼ れず、どう考えるかを自身に問いかける姿勢が身についていく。

(69)ノートに書く利点について、AとBの考え方で共通していることは何か

(70)ノートの書き方について、AとBはどのように述べているか

(2)

 A

 子どもに複数の「習い事」をさせるのはかわいそうだという人がいますが、私はそうは思いません。「習い事」をさせることは、その子が持っている可能性を引き出すチャンスを与えることだと私は思っています。大人になってからの「習い事」は、多くの場合、趣味でしかありませんが、子どものうちにする「習い事」は、その子の将来を左右するような影響力を持ち得るのです。複数の「習い事」をさせることは子どもにとって決してかわいそうなことではなく、親にしか与えられない子どもへの贈り物ではないでしょうか。

 B

 子どもは自由に遊ぶ中で人間関係を学び、様々な能力を身につけていくものです。複数の「習い事」によって子どもの自由時間を奪うことは、そのような成長の場を奪うことにもなりかねません。「習い事」によってある一分野の力をつけることと、人として必要な総合的な力をつけることはどちらが大切でしょうか。また、親が強制的にさせる「習い事」は、子どもの能力を引き出すどころか、子どもにとって大きなストレスになってしまう場合が多いと思います。ただ最近は、大多数の子どもが「習い事」をしているため、子どもが自ら友人と同じ「習い事」をしたがることも少なくありません。そのような場合には、仲間作りの一つの場となるので、「習い事」を利用するのも意味のあることだと言えるでしょう。

(1)子どもに習い事をさせることについて、A、Bがとっている立場は次のどれか

(2)A、Bは習い事をさせる利点をそれぞれ何だと考えているか



教育現場で「暴力は絶対だめ」と教え、厳しく対処すべきなのは言うまでもない。同時に、子どもが爆発前に発しているはずのサインを読み取り、暴力を未然に防ぐ努力が、大人たちに求められているのではないか。

東京で中学校のスクールカウンセラーを務めてきた臨床心理士の植山起佐子さんが痛感するのは、家庭環境のつらさを背負った子の多さだという。共働きだと親子が接する時間は少なくなる。一人親家庭も増えた。不況下での不安定な収入も影響を及ぼす。

親に気持ちを十分受け止めてもらえないまま成長し、家庭でのストレスを引きずって学校に来る子どもがいる。




最近、ちょっとしたことで暴力を振るったり、攻撃的になる子どもが増えている。原因の一つに、最近の食事事情もあるのではないか。

家庭の事情により、コンビニ弁当やインスタント食品等を、毎日一人で食べなければならない子どもがいる。「食事」とは本来、空腹を満たし必要な栄養をとるだけのものではない。家庭が会話をする楽しい時間を与えるものである。食卓を囲んで会話をすることで子どもは学校のことや、自分の気持ちを素直に表現することができ、親も子どもの様子を感じ取ることができるのである。親はバランスの良い食事を子どもに与え、子どもの小さなサインを見逃さず暴力を未然に防がなければならない。

(3)AとBのどちらの記事にも触れられている内容はどれか。

(4)食事における親子のコミュニケーションの重要性について、Aの筆者とBの筆者は立場を明確にしているか

(5)A、B両方の筆者が最も訴えているものは何か

(4)

 A

 学校教育のカリキュラムの中にボランティア活動を組み入れるということは、生徒が望まなくてもボランティア活動をしなければならないということです。これは自らすすんでするべきボランティアの性格に反するものです。また、生徒のボランティア活動を進学の際の評価にプラスする学校もありますが、これも社会のためにするべきボランティアの性格に反するものだと思います。ボランティア活動をする人が増えるのはとてもうれしいことですが、「させられる」人が増えると、反対にボランティアの意味がなくなってしまうのではないでしょうか。学校は、希望する学生にボランティア情報を教えるなど、別の形で役目を果たすことができると思います。

 B 

 日本では、「ボランティア活動は特別なこと」という意識が、まだ人々の中にあると思います。学校教育の中で子どものころから経験するようになれば、その後も気軽にボランティア活動をする人が増えるでしょう。「ボランティアとは自らすすんで、金銭などをもらわずに、人のためにすることだ」などと理想を言うよりも、より多くの人がボランティアを経験しやすい環境を作ることが大切です。学校教育のカリキュラムにボランティア活動を組み入れることは、多くの子どもたちにボランティア活動を始めるきっかけを与えることになるはずです。

(6)Aの筆者とBの筆者に共通している点は何か

学校教育のカリキュラムにボランティア活動を組み入れることについて、Aの筆者とBの筆者はどのように考えているか


 今⽇、多くの国々で、地球環境に配慮した(注)⾞が求められている。そのような中でガソリンではなく電気で⾛る⾃動⾞が登場したが、まだ値段も⾼く⻑距離を⾛ることも難しい。また、充電する場所も限られるために、電気⾃動⾞に乗る⼈はそれほど多くない。
 しかし、近い将来、それらの問題も技術の進歩によって解決され、やがてはより⾝近で⼀般的な乗り物になっていることが考えられる。また、電気⾃動⾞は構造が複雑ではないため、⼀⼈⽤または⼆⼈⽤の⼩型のものならば、個⼈で製造できる可能性もあるそうだ。数⼗年後には⼀⼈⼀台電気⾃動⾞を持ち、全国どこへでも⾏ける時代が訪れえうかもしれない。

B
 今や⾃動⾞は私たちの⽣活になくてはならないものになっているが、環境への意識が⾼まるにつれ、⾞に対する⼈々の考え⽅が変化してきている。その結果、電気⾃動⾞が⾛⾏時に⼆酸化炭素を出さず、騒⾳も少ないことから、環境に優しい⾞として注⽬を集め、徐々に利⽤者も増えている。また、カーシェアリングといって、⼀台の⾞を複数の⼈で使⽤するというシステムも整ってきている。このような傾向が続けば、個⼈で⾞を持つ必要性は薄れてくるだろう。⼗年後、⼆⼗年後はガソリン⾞が姿を消し、電気をエネルギーとする⾞を数⼈で⼀台利⽤している、そんな時代が来るかもしれない。
(注)〜に配慮する︓〜を⼤切に思っていろいろ考慮する

(69)AとBのどちらの⽂章にも触れられている点は何か

(70)AとBの筆者は、⾞社会の今後の可能性についてどのように考えているか

 A社とB社の成果主義に対する状況や意見を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

A社

 わが社は成果主義を取り入れて5年ほど経つが、成果が上がっていない。営業は自分で3ヶ月の目標を設定してその達成を目標に働いているが、最近その目標を低くする社員が増えている。達成できないことを恐れるあまりの行動だと思われる。給料が下がったために不安になったり働く意欲がなくなったりしている社員も見受けられる。彼らは辞めてしまうかもしれない。個人成績が悪いので当然会社全体の営業成績もよくない。また社員同士の競争が激しくなり以前のように教えて合ったり協力したりという楽しい雰囲気がなくなった。その上自分が公平に評価されていないと上司に対するに不満を持つ社員が増えた。成果主義を廃止した方がいいという声もある。成果主義が悪いのか導入方法が悪いのかをチックし直して今後どうするべきかを決める時期にきている。

B社

 7年前に営業部門の社員に売上げの10%を与える成果主義にした。最初は頑張る社員が増えて営業成績も順調だったが、次第に給料の差が開いてきた。成績の悪い社員は希望がないためか辞めてしまうので、新入社員の研修に時間を取られるようになった。また営業ではない社員の評価が難しかったので、成果主義を変更することにした。今では8人ずつのグループを作り社員同士で評価し合うことにした。また「課のメンバーと協力する」などということも評価の中に入れたから、自分だけよければいいという人が減ってきた。評価の結果は点数にしていくら給料を上げるかも公表している。この制度に対する社員の満足度は高い。社員に安定した職場や一定の給料を与え、働く意欲を持たせたことが会社に利益をもたらしている。

(1)両社に共通する成果主義の問題点は何だったか。

(2)両社の記事の内容と合っているのはどれか。

A
 ⼈間にとって⼼⾝ともに健康であることが理想的だが、新しく社会に出た若者たちは、時にはうまくいかないことに出会い、⾃信を失うこともあるだろう。経験から⾔うと、同僚や先輩の温かい⾔葉が⽿に⼊らなくなってしまうのは、そういう、⾃分に⾃信がなくなったときであることが多い。その結果、今まで築いてきた⼈間関係まで壊してしまうことさえある。⾃分の周りの⼈たちを⼤切にして、助⾔(注1)を⽣かしていく気持ちを持つためには、まず⾃分のこれまでの努⼒を肯定的にとらえてみよう。結果が完壁でなくても、「よくやった」と⾃分⾃⾝に⾔えると、他の⼈の⾔葉も素直に聞くことができるようになる。

B
 社会⼈になったばかりの今、皆さんは仕事の厳しさや学⽣時代にはなかったような⼈間関係の複雑さに驚いていうのではないでしょうか。こんなはずではなかったと、抱いていた理想が崩れそうになることがあるかもしれません。特に、⾃分とは異なる価値観を持った上司や先輩から無理な仕事を頼まれたときなど、強くそう感じることでしょう。時には先輩の⾔葉につい反発(注2)したくなることもあるでしょう。しかし、そんなときにはまず相⼿の考え⽅を受け⼊れてみてください。信頼関係を築くにはある程度の時間が必要であり、その後で⾃分の考えを述べればよいのです。それまでは⾃分を抑えることも⼤切で、それが社会⼈として訓練でもあります。

(注1) 助⾔︓アドバイス
(注2) 反発する︓⾔い返す

(1)AとBに共通して述べられていることは何か

(2) AとBでは新社会⼈にどのようにアドバイスをしているか

 自己責任について聞きました。2人の意見を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

 A氏

 ホームレスや貧しい人に対して「自己責任」という言葉が浴びせられるようになった。様々な意見があるが、この言葉が使われるようになったのはまだ最近のことだ。社会にゆとりがあって弱い立場の人を受け入れる気持ちがあった時代にはこんなことは言わなかった。個人が努力することも大切だが、仕事がなくて困っている人に対して「自己責任」だと言うだけでは何の解決にもならない。ただ絶望するだけだ。私たちの社会はいつからこんなに冷たくなってしまったのか。「自己責任」と言うとき私たちは自分たちには何の関係も責任もないと考える。だから見過ごしても心は痛まない。しかし普通に生きている人が突然酷い状況に陥ることもある。誰にもその可能性がある。病気の親の世話のために会社を辞めた若者がその後就職できなくなったそうだ。彼にも同じ言葉を投げかけられようか。人間は助け合うから人間なのだと思う。

 B氏

 テレビで生活保護の若者の生活を見たが、国からお金をもらって何もせずに暮らしていた。彼らがカラオケで一晩中歌っているのを見て税金の無駄だとはらがたった。時間があっても何かを勉強しようとしない。努力しないから結局肉体労働につくしかない。その仕事も熱心に探してはいなかった。ちょっと断られただけで次の会社に電話する気をなくしていた。仕事をする気がないようだ。景気が悪くなったら仕事は減る。年を取ったら肉体労働はできない。社会が悪いという人がいるが「自己責任」だと言いたくなる。もし保護がもらえなければホームレスになるしかない。厳しい状況は理解できるが、抜け出す努力が足りないのではないか。彼らにも多くのチャンスがあったはずだし現在でもまだやりようがあると思う。私から見るとホームレスは好きでホームレスをしているようにしか見えない。

(1)2人のホームレスや貧しい人たちに対する考えはどれか。

(2)本文の内容と合っているのはどれか。

 A

 読書好きの子供たちに、おすすめの本を聞いてみると、「〇〇という登場人物が活躍するシリーズ本!」という答えがよく返ってくる。親世代にも「名探偵シャーロック・ホームズ」(注1) などに夢中になった人がいることだろう。
 今は、子供向けのシリーズものが数多く出版されている。3人組の少年が町に起きた事件を解決するシリーズ、小学生の女の子が温泉の女主人候補として活躍するシリーズ、などが代表的だ。こうした本に親しんでいる子供は「次はどんな展開になるんだろう」とわくわくして次の巻へと読み進み、楽しい読書体験を重ねていく。子供時代のこうした経験は貴重である。将来の読書習慣への第一歩と言えるからだ。
 
 B

 シリーズものというのは、だれにとっても誘惑的な存在です。読書好きな大人でも、気楽に本を楽しみたいときには、好きな作家のおなじみのシリーズを選びがちですが、それは、基本設定や主な登場人物がわかっていて、その世界に入りこみやすく、入ってみたら苦手な世界だったという心配もいらないからです。読書力のない子どもならなおさらで、数をかせぎたい(注2)ときには、探すのも楽、読むのも楽というのは、とても大きな誘惑です。(中略)しかし、成長期の子どもの時間は、九歳の一年と十歳の一年とではまるでちがう、かけがえのないものであって、その貴重な時間が、一人の作家の一つの世界に長期にわたって占領されてしまうというのは、たとえそのシリーズの内容がそう悪くなくても、明らかに問題です。

(注1)シャーロック・ホームズ:イギリスの小説の主人公
(注2)数をかせぐ:ここでは、読んだ本の冊数を増やして学校での評価を高くすること

(1)AとBのどちらの文章にも書かれている内容はどれか。

(2)子供がシリーズものを読むことについて、Aの筆者とBの筆者はどのような立場をとつているか。

 A
 100メートルを速く走るためには最高速度を長く維持すればよいわけだが、世界トップクラスの選手でもそんなことは不可能である。そのため、加速、最高速度の維持、減速というそれぞれの段階に合った走り方をコントロールすることが大切だ。
 まず、スタートから60メートル付近までは上半身を前に倒すようにして一気に加速する、そして最高速度に達したら残りの距離はできるだけそのペースを守る。しかし、ゴールが近くなったら無理な働きにならないように力を抜いて走ろう。

 B
 足を速く動かすことは加速の必要条件ではあるが、体力の消耗が激しいため、意識しすぎると後半のスピートが落ちてしまい、よい記録が出にくい。
 スタート時は足を前に出す気持ちで走り出し、加速している間は歩幅を広げることを意識して最高速度に達するまで走る。その後はスピードが落ちてきても、それまでのペースを意識することで減速が抑えられる。ゴール直前では決して余計な力は使わず、走り抜けるイメージでゴールしよう。どんな選手でも減速は避けられないが、それをどれだけ最小限に抑えられるかで勝負が決まると言ってもいい。

(69)ΑとΒの意見が一致しているのはどれか。

(70)ΑとΒは、100メートルを速く走るためには、どのようなことが大切だと述べているか。

A
 逃げたくなるほどつらいことがあっても、逃げられない人がいる。スピードや効率性(注1)ばかりを求められ,自己責任が声高(注2)に問われる現代社会に、とことん追い詰められ(注3)ながらも、過剰なまでに踏ん張り(注4)続けている人がいる。
 そういう人たちは、「耐える」「踏ん張る」という選択肢のほかに、「逃げる」という選択肢を持っておくことも大切だと思う。
 どうしようもない時には、逃げればいい。
 いつもいつも逃げてばかりいては、どうにもならないけれど、逃げるというカードを1枚だけ持っておいてもいいのではないか。
 

(河合 日経ビジネス 2011年3月7日取得により)


B
 「逃げることは負けることだ」「逃げることは恥だ」という考え方がある。一方、現代は「自分の好きな用に生きる」ことが許され、「逃げる」ことも否定されなくなってきた。そのため、仕事などで壁にぶつかったとき、自分の選んだ生き方は正しかったのが、もうやめた方がいいのではないかと迷い、今自分が置かれている道から逃げたいと思う人も増えている。
 「逃げたい」と思う人はそこでよく考えてほしい。「逃げる」ことが解決の道なのだろうかと。どんな仕事も大変なときはあり、時が解決してくれることもある。逃げたいと思ったときこそ、その気持ちとしっかり向き合うことが大切だ。それでも逃げることが正しいと確信したなら、逃げることは負けることではなくなる。


(注1)効率性:ここでは、一定の時間に水準の高い多くの仕事ができること
(注2)声高に:声を大きくして
(注3)とことん追い詰められる:逃げる道のないところまで追われる
(注4)跡ん張る:ここでは、我慢する

(69)AとBの文章で共通して述べられていることは何か。

(70)逃げたいと思うことについて、AとBはどのように述べているか。

Aさん 34歳
 私は結婚に興味がありません。実は私の両親は私が小学生の時に離婚しました。私の父はお酒を飲まなければとても優しくていい人ですが、毎晩お酒を飲んでは母を殴っていました。私はその光景が忘れられなくて男の人が信用できないのです。親切で優しい人に出会ってもつい父のようになるのではと考えてしまうのです。幸い給料は安いけれど好きな仕事につくことができました。それに独身の友だちも大勢いるので、一緒に旅行したり買い物に行ったりして楽しんでいます。今が人生で一番いいとさえ思えます。

Bさん 25歳
 私の父も兄も医者ですから私はできればお医者さんと結婚したいです。医者の生活についてよくわかっていますし、今と同じぐらいのレベルの生活がしたいからです。ですからお医者さんなら出身大学はどこでも気にしません。また結婚後も両親の家の側に住みたいと思っています。両親もそれを望んでいますし、お金の援助もしてくれると言っています。私は料理が上手ですし家事が嫌いではありません。ですからいい奥さんになれると思います。

Cさん 21歳
 私は大学を卒業したら教師になりたいです。私の家は父も母も教師ですから2人は一緒に家事をしています。2人を見ていて結婚はお互いに協力しなければ継続できないと思いました。ですから私は性格が重要だと考えています。私もいい人を見つけて幸せな家庭と家族の違いを築きたいです。

(1)3人の結婚観に一番影響を与えているのは何か。

(2)3人に現在共通することは何か。