妻と離別、または死別して20歳以下の子どもを育てている男性の家庭を「父子家庭」と言います(これに対し、母親と児童の家庭を「母子家庭」と言います)。最近の20年、離婚の増加により父子家庭の数は過去最高になりました。
 母子家庭には、その収入( 50 )、児童扶養手当という子どもを育てるためのお金が支絡され、ほかにもさまざまな制度があります。日本は「夫が外でお金を稼ぎ、妻が家庭で家事・育児をする」という考えが強かったので、( 51- a )は経済的に苦しい家が多かったためです。
 一方、「( 51-b )と比べて( 51-c )には経済的な問題はないだろう」と思われていたので、児童扶養手当は支給されていませんでした。
 ところが父子家庭の収入は、母子家庭ほど( 52 )、平均に比べたらずいぶん低いことがわかりました。( 53 )、日本では男性は長い残業も休日出勤もやるのが当たり前で、「保育園に子どもを迎えに行くから、5時には帰らなければならない」という男性を雇ってくれる会社は、あまり多くないのです。すでに働いていても、正社員でなくアルノヾイトになったり、男性であっても、( 54 )。そして、厚生労働省は低収入の父子家庭にも児童扶養手当を支給することを決定しました。この制度は2010年の年末から施されることになり、約10万所帯が給付の対象になります。

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花粉症とうまく付き合う

 春が訪れ、過ごしやすい季節になりました。しかし最近、( 50 ) 花粉症に悩な やまされる人が増えています。春は花粉症の季節でもあるのです。
 花粉症とは何でしょうか。花粉症は花粉に対するアレルギー反応で、アレルギー体質の人は花粉症になりやすいと言われています。花粉は体にとって有害なものではありません。しかし、花粉症になりやすい人の体に花粉が入ると、体は花粉を侵 入 者だと思って、花粉に対してガードマンのような働きをする「抗体」を作り出します。この「抗こ う体た い」が蓄ち く積せ きされて一定の水準になると、花粉を追い出すためにくしゃみや鼻水などのアレルギー症状が現れます。そのくしゃみや鼻水によって花粉を追い出そうとするのです。 ( 51 ) 、花粉に対して体が過か じょう 剰 に反応して症状が出るのが花粉症というわけです。
 花粉が多く飛ぶ季節を快適に過ごすために、花粉症の人は規制正しい生活をして、体調管理に努め、とにかく花粉に接しないようにしなければなりません。外出時にはマスクやめがねで花粉が体に入るのを防ぎ、帰宅時には服についた花粉を落としてから、家に ( 52 )。 
実は、今花粉症ではない人も、今後症状が現れる可能性があります。花粉症にならないようにするためには、花粉症の人と同じようになるべく花粉に接しないことが重要です。生活空間に花粉を持ち込まないようにしてください。いつ誰が花粉症になっても不思議ではありません。誰も自分には関係がないとは言えないもの、それが ( 53 ) です。
 花粉症の人もそうではない人も、春は過ごし方に少し ( 54 ) 。

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以下は、留学生が書いた文章である
 ポケットティッシュ
 今日も新宿駅前でティッシュをもらった。小さな袋の中に 10 枚ほどのティッシュが入っていて、ポケットな どに入れて持ち歩けるポケットティッシュだ。
 新宿や渋谷などの大きな駅を出して少し歩くと、ポケットティッシュを配っている人にあちこちで ( 50 )。彼らが配るのは、ティッシュでもあり広告でもある。
 受け取りティッシュの袋には、旅行会社の名前が印刷されていたり、美容院や居酒屋の広告の紙が入 っていたりする。最初は無料で配っているとは知らなかったので、渡されたときは驚いた。
 ティッシュペーパーが日本で使われるようになったのは、1950 年代。その十数年後、( 51 )が広告 宣伝用に配るためのあポケットティッシュを開発した。そして1970年ごろにそれを道で配り始めた会社があり、それ以来、ポケットティッシュを道で定着していったらしい。
 確かに、ポケットティッシュは優れた宣伝グッズだ。まず、道で直接配るから、歩いている人の性別・年 齢を見て、渡すことができる。個人情報を集めなくても、宣伝したい相手に宣伝できる効果的な ( 52 )。また、ティッシュなら実用的で、ちらしだけよりも受け取ってもらいやすいし、使うたびに広告を見 てもらえるという利点もある。
 ( 53 )、私はポケットティッシュの広告を見て行動を起こしたことはない。 もらう広告には全く興味がないが、無料だからついもらってしまい、たまっていく一方だ。だから、帰国したら友達に配りたい ( 54  )。

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以下は、ある雑誌に寄せられた質問と、質問に対する回答である。
 質問
 田舎にキャンプに行ったとき、夜空には無数の星があり、本当にきれいでした。毎晩あんな空が見たいと思っても、私の街では月しか見えません。都会で星は見られないのでしょうか。

(東京・14歳女子)


 回答
 都会で星が見えないのは、夜の街の証明が空気中のちりなどに当たって起こる「光害」という公害によるものです。[「公害」と言われても、夜は照明なしで生活できないから、都会で星を見るのはあきらめよう]とあなたは( 50 )。
 しかし、あきらめる前に少し考えてみてください。照明の登場で夜も明るくなり、人々の生活は安全で便利になりましたが、都会の夜の明るさは必要以上だと思いませんか。また、( 51 )を受けているのは人間だけです。昼は明るく、夜は暗いという自然のリズムがくずれ、植物や動物に大きな影響を与えています。 
 夜、照明を使わなければ、光害はなくなります。( 52 )、東京のような大都会で夜にまったく照明を使わずに生活するのは現実的に不可能です。そこで、照明を目的に合わせて適切に使うことが、光害対策として重要になります。すでに現在、環境省が定めた光害対策の方針の下、道を照らすなら上方向に光がもれないようにするなどの取り組みが( 53 )。
 私たちも不要な照明はすぐに消すなど、常に適切な量の光を使おうと意識して行動して行く必要があります。時間はかかるかもしれませんが、あなたの街でもキャンプの夜に見たような星が見られるように( 54 )。

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 18.以下は、留学生の作文である。

日本の「大人」

 チャン エディー
 商品名や商品の説明などで「大人の旅」「大人のパスタ」「大人のピアノ教室」といった表現をよく目にする。「大人」とあるが、成人用ではなく年齢制限はない。とすると、こうした表現で使われている「大人」とは(50)を指しているのだろうか。気になって調べてみた。
 ある旅行会社は、「大人の旅」を企画している。これは、高級な旅館に泊まったり、時間をかけて旅行したり(51)。私はずっと、旅行会社が企画するのは低価格で短時間に多くの観光地に行く忙しい旅行というイメージを持っていたが、「大人の旅」は違っていた。
 また、先日読んだ記事によると、「大人のパスタ」というのは、素材にこだわった商品らしい。価値があれば価格はあまり気にしないという人を対象として開発された。だから、良い素材を使うことによって多少価格が高くなっても(52)。駅にはられていた「大人のピアノ教室」のポスターで募集していた生徒は、昔習っていたピアノをまた習いたいという人や、仕事や家事以外に何か趣味を見つけたいという人だった。
 (53)、経済的、時間的、精神的に余裕がある人が「大人」なのだろう。私は、旅行はお金をかけないで行きたいし、食事は質より量だ。勉強とアルバイトで精いっぱいだから、何かを習う余裕もない。「大人」の価値観がわからない私は、まだ「大人」ではなさそうだ。「大人」の商品の価値がわかるようになったら、「大人」に(54)。

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以下は、留学生が作文である。
 25時
 ロペス エドガー
 先日、サッカーの日本代表が海外で試合を行い,その試合が深夜にテレビで生中継された。生中継が始まる前に、放送は何時からか確認しようとインターネットで調べて驚いた。あるサイトに「金曜25時放送」と書いてあったのだ。一日は( 50 )。
 「知人に聞いて、「金曜 25 時」というのは土曜の午前1時のことだと知った。「25 時」のような表現は、店の営業時間の掲示などでも見るという。なぜ、午前1時を「25 時」と表現するのだろうか。
 ( 51 ) 表現を使い始めたのはテレビ局だとする説が有力だ。日本の多くのテレビ局では、朝4時前後に一日の放 送が始まり、そこからの24 時間を1日と考える。つまり、テレビ局にとっては、夜の0時が1日の終わりではない。22 時、23時ときたら、その次は0時ではなく24時で、午前1時は25時なのである。このようにして「25 時」という表現が ( 52 )。
 現代の日本社会は夜型化が進み、午前0時を過ぎても活動している人が多い。だから、午前0時を過ぎても「今 日」は続く。( 53 ) 、「起きてから寝るまでが今日」だと考えれば、翌日の午前1時ではなく、その日の25 時と表現したほうが的確かもしれない。私も、土曜の午前1時に見た番組は金曜の夜に見たという感じがするので、金曜 25時と考えたほうが実際の感覚に近い気もする。生活の夜型化と「寝るまでが今日」という考え方が、24時間しかない一日に「25時」を( 54 )。

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 以下の文章は、雑誌のコラムである。
 すしを載せた趣が、客席沿いに設置された台の上を通って次々に流れていく。回転ずしの店で、目の前を通り過ぎるおいしそうなずしを見ていると、どれも食べたくなる。
つい食べ過ぎてしまうという人も(50) 回転ずしで1回に食べる量の平均は一人約10だという。「しつけご飯の量が約20グラムで、普通、回転ずしでは1皿にすしが2つ載っているから、約400グラムもご飯を食べていることになる。茶わん1杯分のご飯の量が約150グラムだとすると。(51) 回転ずしでたくさん食べてしまうのはなぜなのか。
 こんなし(52) すしが好きな人たちにすしを食べてもらう。まずは、すしの皿を台に載せて流さず、1皿ずつ注文してすしを食べる。別の日に今度は、流れているすしの皿を取ってすしを食べる。 (53) 流れているときに食べた量は、そうでないときの約1.5 倍になったという。
心理学の専門家によると,これは「目の前に流れてくる」ことの効果らしい。すしが 目の前に流れてくると、意識しなくても目に入り、あれもこれも食べたいと思ってしま う。また、人間は、目の前で動いている食べ物を見ると目で追って手に入れようとする 性質を持っており、それも思わず皿を取ってしまう原因の一つだということだ。
 回転ずしでたくさん食べてしまうのには、納得の理由があったのだ。回転ずしの店に行ったとき, 食べ過ぎてしまうのは(54)

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 地域や⽂化によって⾔語が違うように、⾳楽も違います。
 誰が聞いてもすぐ分かる違いは、リズムです。リズムには、「1・2・3、1・2・3…」と3つずつの拍で進む3拍⼦や、「1・2、1・2…」と、歩くのちょうどいい2拍⼦など、さまざまなリズムがあります。これが⽂化によって違うのです。
 たとえば、⽇本の伝統⾳楽には3拍⼦がありません。3拍⼦は⾺に乗って⽣活する⽂化で作り出されるリズムだと⾔われています。⽇本⼈も⾺に乗ることはあり ましたが、⽣活の中⼼ではありませんでした。⽇本⼈の⽣活の中⼼は昔から農耕でした。だから、⽇本の⽣活には⼀歩⼀歩2本の⾜で歩く2拍⼦がよく、3拍⼦ は使われなかったと( 1 ) 。
 また、⾳楽も違います。⾳楽 ( 2 )、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」という7つの⾳の階段のことだと思う⼈も多いでしょう。しかし、それは、ヨーロッパという地域の⾳階です。地球上の⾳楽のすべてが、このような7⾳階できているのではありません。
 たとえば、アジアには5つの⾳階を使う地域が多いです。⽇本もその仲間です。もっとも、同じ5⾳階でも、⾼さが同じ⾳とはかぎらないので、5⾳階といっても、地域のよっていろいろです。
 ( 3 )、ここまでのことを頭に⼊れて、「⾳楽は世界のことば」というよく使われる宣伝⽂句の意味を考えてください。この⾔い⽅は正しいでしょうか。
 ( 4 ) は明らかです。
 今、世界でもっとも広く使われている⾔語は英語だといっていいでしょう。その英語を使えば、だいたいどこの国に⾔ってもコミュニケーションがとれます。しかし、( 5 ) 、単純に「英語は世界のことば」と⾔えるでしょうか。
 ⾳楽も同じことが起こっているということなのです。

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 体の疲れを取るために、⼈間は必ず睡眠
 (1) 眠らなければならないのなら、質の良い睡眠がいい。ぐっすり眠れば健康にいいし仕事のミスも減る。
 では、質に良い睡眠をとるには、どうすればいいのだろうか。
 まず、良い環境を作ろう。部屋の温度や湿度を調整し、明るさも気を付けなければならない。体に直接触れる布団やシーツも⼤事だ。布団については、軽いの (2) 、重いのが好きという⼈もいる。どんな布団が体にい
いかというのは決まっておらず、そこは好みでいい。
環境の次は、眠る前の準備だ。寝る前には、お⾵呂最後は⾷べ物についても述べよう。⾷べたあとは眠くなることがあるが、夜眠るときに、お腹がいっぱいなのはよくない。眠りが浅くなるし、消化にも悪い。反対にお腹がすいているのもよくない。第⼀、眠れない。もし何か⾷べるなら、軽くて、消化のよい物を⾷べるといいだろう。少しなら、お酒を飲むのも悪くない。ただし、少しだけだ。たくさん飲むと、逆に睡眠の質を下げることが (4) 。
 質の良い睡眠をしっかりすると、 (5) ことが⼤事である。

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高齢化社会におけるスポ一ツ



 105歳の日本人男性が、陸上競技の100メ一卜ルで世界記録を出した。 2015年に行われたある陸上の世界大会でのことだ。
 「マスタ一ズ」 と呼ばれる(50)日本ではまだあまり知られていないが、スボ一ツをいくつになっても楽し
むことを目的と した大会で、 陸上、 水泳、テ二スなど様々な競 技の大会が世界中で開催されている。 陸上の大会では通常5歳ごとに分けられたクラスで同年代と競う。そのため、 体力が落ちて若いころのように走れなくても対等に競うことができる。 つまり、105 歳の男性が出した世界記録は、 彼が参加したクラスにおける世界記録(51)。
 ある調査によると、 マス夕一ズに参加している高齢者は心と体の健庚を維持しているという。運動は心に活気を生み、 記録という目標は生活の中で感じる不安やス卜レスを少なくするそうだ。
 心も体も元気な高齢者の多い社会は、 高齢化社会の一つの理想である。 マス夕一ズに参加する高齢者が増えれば、この理想に近づくことができる。 (52)、マスタ一ズの存在が影響を与えるのは、参加者にとどまらな
い。 参加者以外の高齢者も、同年代が記録を目指す姿を目にすることで、体を動かすきっかけや心の活力が得られるに違いなぃ。 (53)、 マス夕一ズが広く知られる必要がある。 テレビなどで目にする機会が増えるといい。
 いつまでも心身ともに元気でいられる(54)。 その社会の実現に向けて、 マス夕一ズの今後の発展が期待される。

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